火山岩と深成岩はどこでどうできる?
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の3番目です。前のレッスンでは、ゆっくり冷えるほど結晶が成長する時間が長くなることを模型で確かめました。今回は、マグマが冷えた場所と速さから、火成岩を火山岩と深成岩に分けます。
今回完成させる力は、「形成場所→冷却速度→結晶成長」の因果で二つを区別することです。次のレッスンでは、地下断面と結晶サイズの資料から、見えない形成場所を逆向きに推定します。
まず知る
火成岩は、できる場所と冷え方によって大きく二つに分けられます。
| 種類 | 主にできる場所 | 冷え方 | 結晶の傾向 |
|---|---|---|---|
| 火山岩 | 地表または地表近く | 急に冷える | 大きく成長する時間が短い |
| 深成岩 | 地下深く | ゆっくり冷える | 大きく成長する時間が長い |
火山岩という名前は「火山の形をした岩」ではありません。地表付近で急に冷えた火成岩です。
深成岩は「深い場所で現在も見つかる岩」とは限りません。地下深くでできた後、地殻変動で持ち上がったり、上の岩石が侵食されたりすると、地表で観察できます。
どちらも元はマグマで、火成岩という同じ大きな仲間です。
理解する
次の図では、同じマグマが地表近くと地下深くで固まる二つの経路を示します。
地表付近では、空気や水、冷たい地表の岩石へ熱が移りやすく、マグマは比較的短い時間で固まります。結晶が大きくなる時間は短くなります。
地下深くでは、周囲も高温で、マグマの熱がゆっくり外へ移ります。固まるまでの時間が長く、結晶が成長しやすくなります。
「地下は冷たいからゆっくり冷える」という説明は不正確です。地表より地下深くのほうが高温ですが、マグマとの温度差が小さく、熱が逃げるのに時間がかかると考えます。
実際の火山岩では、地下で一部の結晶が成長した後、地表付近で残りが急に冷える場合もあります。その詳しい見分け方は次の「火成岩の組織と冷え方」で扱います。
使う
二つの岩体について考えます。
- 岩体A:溶岩流として地表へ出て、短時間で冷え固まった
- 岩体B:地下5 km付近へ入り込み、長い時間をかけて固まった
Aは地表で急冷した火山岩、Bは地下深くでゆっくり冷えた深成岩です。
よい説明:
「岩体Bは地下深くで周囲へ熱を失うのに時間がかかり、ゆっくり冷えた。そのため結晶が成長できる時間が長く、深成岩になった。」
次の答案には誤りがあります。
「岩体Bは地表で見つかったので火山岩である。」
見つかった場所と、できた場所を混同しています。地下深くでできた深成岩が、隆起や侵食によって地表へ現れることがあります。判断には、形成時の位置や結晶の特徴を使います。
転用する
山地の露頭から、互いに組み合わさった大きめの結晶をもつ火成岩が見つかりました。周辺には、上の地層が長い時間をかけて侵食された証拠があります。
この岩石は、地下深くでゆっくり冷えた深成岩の可能性があります。現在は地表にあっても、形成時は地下深くにあり、その後に上の岩石が削られたと考えられるからです。
海底へ流れ出た溶岩は、水で急に冷やされます。海底にあるから深成岩ではありません。形成場所は地表に相当し、急冷しているため火山岩です。
「深い海」と「地下深く」を同じにしないことが重要です。海底は地球の表面です。
説明の型
「マグマは[形成時の場所]で、[熱の逃げ方]ため[急に/ゆっくり]冷えた。結晶が成長する時間が[短い/長い]ので、[火山岩/深成岩]と考えられる。」
確認1:火山岩と深成岩に共通することは?
どちらもマグマが冷えて固まった火成岩です。主な違いは形成場所と冷却速度です。確認2:地表で見つかった深成岩があるのはなぜ?
地下深くでできた後、地殻変動で持ち上がったり、上の岩石が侵食されたりして地表へ現れるからです。確認3:海底に流れた溶岩は火山岩か深成岩か?
火山岩です。海底は地表であり、水で急に冷えるためです。まとめ
火山岩は地表・地表近くで急に冷え、深成岩は地下深くでゆっくり冷えてできます。判断では現在の発見場所ではなく、形成時の場所、熱の逃げ方、結晶成長の時間をつなぎます。次は、地下断面と結晶サイズから形成場所を逆向きに推定します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。