LESSON 01

地震の震源と震央

震央を震源とする誤答を直そう

震源と震央、位置と震度、震央距離と震源距離の混同を、定義・視点・端点へ戻して修正します。

震央を震源とする誤答を直そう

このレッスンは「地震の震源と震央」6レッスン中の5番目です。用語の似た響きや地図の見え方に引っぱられた誤答を、定義・視点・距離の三つへ戻して直します。

前から受け取る力:複数観測点の距離円、地図、断面図から震央と震源を読む
今回完成させる力:震源・震央・深さ・三つの距離の混同を見つけ、不足した資料を示して修正する
次へ渡す力:資料が不完全な初見問題でも、言える範囲と追加情報を判断する

まず知る

よくある誤答と、戻るべき基準を整理します。

誤答 ずれた基準 修正の入口
震央は地下で地震が始まった場所 定義 地下=震源、地表=震央
地図の赤い点が震源 視点 地図は上から見た地表。深さを別に読む
震央で必ず最大震度になる 位置と強さ 震央は位置、震度は各地点の揺れ
震央距離と震源距離は同じ 距離の端点 横と斜めを断面図で区別
一地点の距離だけで震央が決まる 情報量 円周上の多数の候補が残る

誤答は「正しい言葉に置き換える」だけでは直りません。どの定義、視点、端点、情報が不足したかを説明すると、次の問題でも使える修正になります。

震源と震央の誤答を定義と二つの図で修正する流れ 誤答から、地図の視点、断面図の深さ、距離の端点、揺れの資料を確認し、根拠ある修正へ進む もっともらしい誤答「地図の点=震源」 地図の視点上から見る地表 断面と深さ地下の震源を置く 端点と情報量どこからどこまで? 根拠つきの修正 地図の点は震央 その鉛直下、示された深さに震源 揺れの強さは別資料で判断 正答だけでなく、ずれた基準まで言葉にする

理解する

「震央」という字に「央=中心」があるため、揺れの中心や最強地点だと思いやすくなります。しかし震央は「震源の真上」という幾何学的な位置の定義です。最大震度の地点は、断層の広がり、地盤、地形、建物などによって震央とずれることがあります。

地図の赤い点を震源と呼びやすいのは、上から見ると震源と震央が重なるからです。地図だけでは深さ方向が紙面の奥に隠れています。赤い点が震央なのか震源の投影点なのか、凡例と深さ情報を読みます。

震央距離と震源距離は、始点が同じ観測点でも終点が違います。

  • 震央距離:観測点から地表の震央へ
  • 震源距離:観測点から地下の震源へ

震源が地下にある限り、斜めの震源距離には深さが含まれます。数値が偶然近くても、定義は同じになりません。

一地点の距離だけで震央を一点に決める誤りは、方向情報を勝手に足しています。距離だけなら円周上のどこかです。別の観測点の距離と交わらせる必要があります。

使う

誤答1:「地図の点Eで地震が始まったので、Eは震源である」

修正:地図は地表を上から見た図なので、点Eは震央を示します。地震が始まった震源は、Eの鉛直下方にあり、位置を決めるには深さが必要です。

誤答2:「震央にもっとも近い地点だから、必ず震度が最大である」

修正:震央は震源の真上を表す位置です。震度は各地点の揺れの強さで、地盤や断層の広がりなどにも影響されます。震度分布図を確認しなければ最大地点は決められません。

誤答3:「観測点Aから震央まで40 kmなので、震源距離も40 kmである」

修正:40 kmは地表の震央距離です。震源距離はAから地下の震源までの斜めの距離で、震源の深さが必要です。

誤答4:「観測点Bから50 kmと分かったので、Bの東50 kmが震央である」

修正:方向が示されていないため、東とは決められません。震央はBを中心とする半径50 kmの円周上です。別の観測点の距離が必要です。

確認1:直接確認震央が表すのは、位置と揺れの強さのどちらですか。震源の真上にある地表の位置です。
確認2:誤りを修正「震央距離0 kmなら震源距離も0 km」を直してください。観測点が震央にあっても、地下の震源まで深さがあるため、震源距離は震源の深さと同じです。
確認3:別資料へ転用震央と最大震度地点が20 kmずれていました。資料が間違いだと言えますか。言えません。地盤や断層の広がりなどで最大震度地点は震央と一致しないことがあります。

転用する

誤答を見たら、次の四行で直します。

  1. 誤答が使った証拠:地図の点、距離、震度など
  2. 混同したもの:震源と震央、位置と強さ、横と斜めなど
  3. 必要な追加資料:深さ、断面図、複数地点、震度分布など
  4. 修正した結論:資料から言える範囲だけを書く

この方法なら、自分の誤答だけでなく、選択肢のどこが不正確かも説明できます。次は地図・断面・距離表・震度分布が一度に出る初見資料で、必要な証拠を選び、震源と震央を総合判定します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。