結晶のそろい方で二つの組織を見分けよう
このレッスンの役割
ここは「火成岩の組織と冷え方」6レッスン中の1番目です。前のセクションでは、火山岩は地表付近で急に冷え、深成岩は地下深くでゆっくり冷えることを学びました。今回は、岩石の中の結晶が「どのような大きさで組み合わさるか」を観察します。
今回完成させる力は、斑状組織と等粒状組織を、岩石全体の結晶サイズの組合せから見分けることです。次のレッスンでは、同じ倍率の写真を測り、印象ではなく数値で判定します。
まず知る
岩石を作る粒や結晶の大きさ・形・並び方を、岩石の組織といいます。
火成岩の代表的な組織は二つです。
斑状組織
大きな結晶が、細かな粒の部分の中に散らばる組織です。
- 大きな結晶:斑晶
- 斑晶の周りの細かな部分:石基
「大きい結晶」と「非常に細かな部分」という、二つの大きさの集まりが見えることが中心です。
等粒状組織
同じくらいの大きさの結晶が互いに組み合わさる組織です。
「まったく同じ大きさ」という意味ではありません。大きさに多少の違いがあっても、斑晶と石基のようなはっきりした二つの集まりがなく、結晶どうしが見分けられる状態です。
| 組織 | 見る場所 | 代表的な特徴 |
|---|---|---|
| 斑状組織 | 大結晶と周囲 | 斑晶が細かな石基に散らばる |
| 等粒状組織 | 岩石全体 | 同程度の結晶が組み合わさる |
理解する
次の図は、同じ倍率で見た二つの組織の模式図です。
斑状組織を見分けるとき、一つの大きな結晶だけを探すのではありません。その周囲に、肉眼では一粒ずつ分けにくい細かな石基が広がっているかを見ます。
等粒状組織では、結晶の境界をたどると、同程度の大きさの結晶が全体に組み合わさっています。色の違いは異なる鉱物の手がかりですが、組織を決める中心は色ではなく大きさの組合せです。
斑状組織は火山岩に、等粒状組織は深成岩に多く見られます。なぜそうなるかは3番目のレッスンで、冷却履歴と結びます。今はまず見分ける技能を完成させます。
使う
三つの試料記録を判定します。
試料A
- 3〜5 mmの結晶がいくつかある
- 周囲は0.1 mm未満の細かな部分
- 大結晶は全体の約15%
大きな斑晶が細かな石基に散らばるため、斑状組織です。
試料B
- 多くの結晶が2〜4 mm
- 結晶どうしが境界を接して組み合わさる
- 0.1 mm未満の部分はほとんどない
同程度の結晶が組み合わさるため、等粒状組織です。
試料C
- 写真上で大きな粒が一つ見える
- 周囲はぼやけている
- スケールバーがない
この情報では判定できません。大きな粒が斑晶なのか、写真の倍率のせいで大きく見えるのか、周囲が石基かを確かめる必要があります。
「大きな結晶があるから等粒状組織」という誤答は、岩石全体の分布を見ていません。等粒状組織では、大きめの結晶が一つだけでなく、同程度の結晶が全体に組み合わさります。
転用する
未知試料Dには、1〜3 mmの結晶が多い一方、6 mmの結晶が一つありました。これだけで斑状組織と決めるのは早すぎます。1〜3 mmという一つの集まりの中に、たまたま大きめの結晶があるだけかもしれません。
複数視野で測り、次を確認します。
- 大きさがはっきり二つの集まりに分かれるか
- 大きな結晶の周囲が細かな石基か
- 大きな結晶が複数箇所に繰り返し現れるか
- 写真の倍率・スケールが同じか
未知試料Eは、肉眼では細かな黒い岩石に白い大粒が点在して見えます。色ではなく、「大粒が細かな部分に散らばる」という大きさの組合せから斑状組織の可能性を考えます。
判定の型
「試料には[大きな結晶/同程度の結晶]が見られ、周囲は[細かな石基/同程度の結晶]である。したがって[斑状組織/等粒状組織]と判断する。」
確認1:斑状組織を作る二つの部分は?
大きな結晶である斑晶と、その周りの細かな部分である石基です。確認2:等粒状組織は全結晶が完全に同じ大きさ?
いいえ。多少の違いはありますが、はっきりした斑晶と石基に分かれず、同程度の結晶が全体に組み合わさります。確認3:大きな結晶が一つだけなら斑状組織と断定できる?
できません。周囲が細かな石基か、複数視野でも二つの大きさの集まりが見られるかを確かめます。まとめ
斑状組織は大きな斑晶と細かな石基、等粒状組織は同程度の結晶の組合せで見分けます。色や一つの結晶ではなく、岩石全体のサイズ分布を見ます。次は、同じ倍率・尺度の写真を測り、数値で組織を判定します。
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