日本周辺のプレートを地図で捉えよう
このレッスンの役割
ここは「プレート運動と地震・火山」セクションの2 / 6です。前のレッスンでは、地震と火山が一様に散らばらず、帯状に集中するという観測事実を見つけました。今回は、その集中帯と日本周辺のプレートの位置・動きを対応させます。
今回完成させる力は、平面の地図と地下の断面図を行き来し、海側のプレートがどちらへ動き、どこから陸側のプレートの下へ沈み込むかを説明することです。詳しい地震発生の仕組みは次のレッスンで扱います。
おすすめの学び方は、プレート名だけを丸暗記しないことです。地図では「どこにあるか・矢印はどちら向きか」、断面図では「どちらが上か・どちらが下へ続くか」を指でたどってください。
今日の問い
日本は一つの大きな岩板の真ん中にあるのでしょうか。それとも、複数の岩板が集まり、押し合う場所にあるのでしょうか。
知る
プレートは、地球の表面をおおう硬い岩板です。地球表面は一枚ではなく、複数のプレートに分かれています。プレートは非常にゆっくり動き、その境目をプレート境界といいます。
中学校の地図では、日本周辺を主に次のように整理します。
| 分類 | 代表的な名前 | 日本付近でのおおまかな位置 |
|---|---|---|
| 海側のプレート | 太平洋プレート | 日本列島の東側の海 |
| 海側のプレート | フィリピン海プレート | 日本列島の南側の海 |
| 陸側のプレート | 北アメリカプレート | 北日本・東日本側として示されることが多い |
| 陸側のプレート | ユーラシアプレート | 西日本側として示されることが多い |
研究や資料によって、陸側プレートを「オホーツクプレート」「アムールプレート」など、さらに細かく分ける場合があります。入試問題では、その資料に書かれた名称と凡例を優先してください。絶対に四枚だけだと決めつけるのではなく、「日本付近には複数のプレートが集まる」という構造を理解することが中心です。
海側の太平洋プレートとフィリピン海プレートは、日本列島の方向へ動き、海溝やトラフ付近から陸側のプレートの下へ沈み込んでいます。海溝やトラフは海底の細長いくぼみで、沈み込みが始まる場所を読む手がかりになります。
理解する
平面地図だけでは、プレートが地下へ斜めに続く様子は見えません。そこで、地図と断面図を組み合わせます。
上段の地図で矢印が日本列島へ向かっていることを確認します。次に、海溝を通る線で地面を切ったつもりで下段を見ます。海側プレートは海溝付近から折れ曲がり、陸側プレートの下へ斜めに続いています。
このとき、次の三つを分けます。
- 地図の矢印:地表を上から見た、おおまかな移動方向
- 海溝・トラフ:沈み込みが始まる付近を示す地形
- 断面図の傾き:海側プレートが地下へ続く立体的な形
国境や海岸線は、人が決めた範囲や陸と海の境目です。プレート境界とは一致しません。海岸線の下を一枚のプレートがまたぐ場合も、海底にプレート境界がある場合もあります。
使う
次の資料を読むとします。
- 地図では、日本の東側の海にプレートAがある。
- プレートAの矢印は西向きである。
- 日本列島とプレートAの間に海溝がある。
- 断面図では、プレートAが海溝から西へ向かって深くなっている。
説明は次の順で作ります。
「プレートAは日本の東側にある海側のプレートで、西向きに移動している。海溝付近から日本列島の下へ斜めに沈み込み、陸側へ行くほど深くなる。」
名前が分からなくても、位置・向き・上下関係が読めれば構造を説明できます。そのあと凡例から「太平洋プレート」と特定します。最初から名前だけで当てようとしないことが大切です。
| 読む順番 | 資料で探すもの | 答えに入れる言葉 |
|---|---|---|
| 1 | 方位記号 | 東側・南側・陸側・海側 |
| 2 | 凡例 | プレート名、境界、海溝 |
| 3 | 矢印 | どちらからどちらへ動くか |
| 4 | 断面の傾き | どちらの下へ沈み込むか |
| 5 | 深さ目盛り | 陸側へ行くほど深いか |
転用する
初見問題では、地図の北が上とは限らず、断面図も東西ではなく南北に切られることがあります。まず方位記号と断面線A–Bを確認します。地図上のAからBへ進む順序と、断面図の左から右の順序を対応させてください。
例えば地図でAが海側、Bが陸側なら、断面図で沈み込む面がA側からB側へ深くなるかを見ます。逆向きに掲載された断面図でも、文字A・Bを手がかりにすれば迷いません。
また、矢印は地震が伝わる方向ではありません。プレートが長い時間をかけて動く向きです。地震波は震源から周囲へ広がります。似た矢印でも、何の向きかは凡例と題名で判断します。
よくある間違い
| 思い込み | 最初の読み違い | 直し方 |
|---|---|---|
| 日本の国境がプレート境界である | 人の区分と地球内部の区分を混同 | 境界線の凡例と海溝の位置を見る |
| 海岸線がそのままプレート境界である | 陸と海の境目だけを見ている | 境界は海底や地下にも続くと考える |
| 矢印は地震波の進む向きである | 図の主題を読んでいない | 題名と凡例から矢印の対象を確認 |
| プレートは地表だけの薄い線である | 平面地図だけで考えている | 断面図で厚みと沈み込みを確かめる |
| 四つの名称だけが常に唯一の分類である | 資料の分け方を無視 | 問題に示された凡例を優先する |
自分で確かめよう
確認1:日本の東側から沈み込む海側プレートは?
太平洋プレートです。名前だけでなく、日本の東側から西向きに進み、海溝付近から陸側プレートの下へ沈み込むと説明します。確認2:「海岸線=プレート境界」は正しい?
正しくありません。海岸線は陸と海の境目で、プレート境界は岩板どうしの境目です。海底や地下にあることもあります。確認3:A–B断面図が左右逆に載っていたらどう読む?
地図上のA・Bと方位を確認し、断面図のA側からB側へプレートがどのように深くなるかを対応させます。まとめと次の一歩
日本付近には複数のプレートが集まり、海側の太平洋プレートとフィリピン海プレートが陸側プレートの下へ沈み込んでいます。地図の位置・矢印・境界と、断面図の上下・傾きを対応させれば、名前の暗記だけに頼らず立体的に説明できます。次は、このゆっくりした沈み込みが、なぜ突然の地震を起こすのかを因果でたどります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。