LESSON 01

プレート運動と地震・火山

日本周辺のプレートを地図で捉えよう

日本周辺のプレート地図と地下断面図を対応させ、海側プレートの移動・沈み込みを立体的に読む。

日本周辺のプレートを地図で捉えよう

このレッスンの役割

ここは「プレート運動と地震・火山」セクションの2 / 6です。前のレッスンでは、地震と火山が一様に散らばらず、帯状に集中するという観測事実を見つけました。今回は、その集中帯と日本周辺のプレートの位置・動きを対応させます。

今回完成させる力は、平面の地図と地下の断面図を行き来し、海側のプレートがどちらへ動き、どこから陸側のプレートの下へ沈み込むかを説明することです。詳しい地震発生の仕組みは次のレッスンで扱います。

おすすめの学び方は、プレート名だけを丸暗記しないことです。地図では「どこにあるか・矢印はどちら向きか」、断面図では「どちらが上か・どちらが下へ続くか」を指でたどってください。

今日の問い

日本は一つの大きな岩板の真ん中にあるのでしょうか。それとも、複数の岩板が集まり、押し合う場所にあるのでしょうか。

知る

プレートは、地球の表面をおおう硬い岩板です。地球表面は一枚ではなく、複数のプレートに分かれています。プレートは非常にゆっくり動き、その境目をプレート境界といいます。

中学校の地図では、日本周辺を主に次のように整理します。

分類 代表的な名前 日本付近でのおおまかな位置
海側のプレート 太平洋プレート 日本列島の東側の海
海側のプレート フィリピン海プレート 日本列島の南側の海
陸側のプレート 北アメリカプレート 北日本・東日本側として示されることが多い
陸側のプレート ユーラシアプレート 西日本側として示されることが多い

研究や資料によって、陸側プレートを「オホーツクプレート」「アムールプレート」など、さらに細かく分ける場合があります。入試問題では、その資料に書かれた名称と凡例を優先してください。絶対に四枚だけだと決めつけるのではなく、「日本付近には複数のプレートが集まる」という構造を理解することが中心です。

海側の太平洋プレートとフィリピン海プレートは、日本列島の方向へ動き、海溝やトラフ付近から陸側のプレートの下へ沈み込んでいます。海溝やトラフは海底の細長いくぼみで、沈み込みが始まる場所を読む手がかりになります。

理解する

平面地図だけでは、プレートが地下へ斜めに続く様子は見えません。そこで、地図と断面図を組み合わせます。

日本周辺のプレート地図と東西断面の対応 上段は日本列島の東側から太平洋プレートが西向きに進む平面図、下段は海溝から海側プレートが陸側プレートの下へ斜めに沈み込む断面図 上から見た地図 日本列島 海溝 太平洋プレートの動き フィリピン海プレート 陸側のプレート 東西に切った断面 海溝 海側から陸側へ 陸側プレート 沈み込む海側プレート 西・陸側 東・海側

上段の地図で矢印が日本列島へ向かっていることを確認します。次に、海溝を通る線で地面を切ったつもりで下段を見ます。海側プレートは海溝付近から折れ曲がり、陸側プレートの下へ斜めに続いています。

このとき、次の三つを分けます。

  1. 地図の矢印:地表を上から見た、おおまかな移動方向
  2. 海溝・トラフ:沈み込みが始まる付近を示す地形
  3. 断面図の傾き:海側プレートが地下へ続く立体的な形

国境や海岸線は、人が決めた範囲や陸と海の境目です。プレート境界とは一致しません。海岸線の下を一枚のプレートがまたぐ場合も、海底にプレート境界がある場合もあります。

使う

次の資料を読むとします。

  • 地図では、日本の東側の海にプレートAがある。
  • プレートAの矢印は西向きである。
  • 日本列島とプレートAの間に海溝がある。
  • 断面図では、プレートAが海溝から西へ向かって深くなっている。

説明は次の順で作ります。

「プレートAは日本の東側にある海側のプレートで、西向きに移動している。海溝付近から日本列島の下へ斜めに沈み込み、陸側へ行くほど深くなる。」

名前が分からなくても、位置・向き・上下関係が読めれば構造を説明できます。そのあと凡例から「太平洋プレート」と特定します。最初から名前だけで当てようとしないことが大切です。

読む順番 資料で探すもの 答えに入れる言葉
1 方位記号 東側・南側・陸側・海側
2 凡例 プレート名、境界、海溝
3 矢印 どちらからどちらへ動くか
4 断面の傾き どちらの下へ沈み込むか
5 深さ目盛り 陸側へ行くほど深いか

転用する

初見問題では、地図の北が上とは限らず、断面図も東西ではなく南北に切られることがあります。まず方位記号と断面線A–Bを確認します。地図上のAからBへ進む順序と、断面図の左から右の順序を対応させてください。

例えば地図でAが海側、Bが陸側なら、断面図で沈み込む面がA側からB側へ深くなるかを見ます。逆向きに掲載された断面図でも、文字A・Bを手がかりにすれば迷いません。

また、矢印は地震が伝わる方向ではありません。プレートが長い時間をかけて動く向きです。地震波は震源から周囲へ広がります。似た矢印でも、何の向きかは凡例と題名で判断します。

よくある間違い

思い込み 最初の読み違い 直し方
日本の国境がプレート境界である 人の区分と地球内部の区分を混同 境界線の凡例と海溝の位置を見る
海岸線がそのままプレート境界である 陸と海の境目だけを見ている 境界は海底や地下にも続くと考える
矢印は地震波の進む向きである 図の主題を読んでいない 題名と凡例から矢印の対象を確認
プレートは地表だけの薄い線である 平面地図だけで考えている 断面図で厚みと沈み込みを確かめる
四つの名称だけが常に唯一の分類である 資料の分け方を無視 問題に示された凡例を優先する

自分で確かめよう

確認1:日本の東側から沈み込む海側プレートは? 太平洋プレートです。名前だけでなく、日本の東側から西向きに進み、海溝付近から陸側プレートの下へ沈み込むと説明します。
確認2:「海岸線=プレート境界」は正しい? 正しくありません。海岸線は陸と海の境目で、プレート境界は岩板どうしの境目です。海底や地下にあることもあります。
確認3:A–B断面図が左右逆に載っていたらどう読む? 地図上のA・Bと方位を確認し、断面図のA側からB側へプレートがどのように深くなるかを対応させます。

まとめと次の一歩

日本付近には複数のプレートが集まり、海側の太平洋プレートとフィリピン海プレートが陸側プレートの下へ沈み込んでいます。地図の位置・矢印・境界と、断面図の上下・傾きを対応させれば、名前の暗記だけに頼らず立体的に説明できます。次は、このゆっくりした沈み込みが、なぜ突然の地震を起こすのかを因果でたどります。

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