地下の震源と地表の震央を区別しよう
このレッスンは「地震の震源と震央」6レッスン中の1番目です。地震が始まった地下の場所と、その真上の地表を別の言葉で表せるようにします。この区別が、次の断面図・距離・地震波の学習の土台です。
前から受け取る力:地下の活動を、地表に残る証拠から考える
今回完成させる力:震源と震央を定義し、断面図上の位置関係を言葉で説明する
次へ渡す力:平面図と断面図へ震源・震央を正しく置く
まず知る
地震は、地下の岩石に力が加わり、岩石が破壊してずれ始めることで起こります。
- 震源:地下で岩石の破壊が始まった場所
- 震央:震源の真上にある地表の地点
- 震源の深さ:地表から震源までを鉛直方向に測った距離
「鉛直方向」は、地面に対してただ垂直というだけでなく、地球の中心へ向かう上下方向です。震源と震央は一本の鉛直線上にあります。
理解する
震源と震央は同じ地震についての二つの位置ですが、同じ場所ではありません。震源は地下の三次元の位置、震央は地表の二次元の位置です。地図に印が付くのは主に震央で、断面図にするとその下に震源が見えます。
なぜ震央という地点が必要なのでしょうか。地下の震源を地図上で伝えるには、緯度・経度だけでは深さが表せません。そこで、震源の真上を震央として地図に置き、別に「深さ20 km」のような情報を加えます。震央の位置と震源の深さが組み合わさると、震源を立体的に表せます。
実際の地震では、岩石の破壊は震源から断層面に沿って広がります。震源は「地震でずれた範囲全体」ではなく、「破壊が始まった位置」を代表する点です。
また、震央が必ず最も強く揺れる地点とは限りません。揺れは震源の深さ、断層の広がり、地盤の性質、建物などにも影響されます。震央は位置を表す言葉であり、揺れの強さを表す言葉ではありません。
使う
ある地震の情報が「北緯35.0度、東経139.0度、深さ30 km」と発表されたとします。
- 北緯35.0度・東経139.0度:震央の地図上の位置
- 深さ30 km:震央から震源までの鉛直距離
- 震源:その震央の真下30 kmにある地下の位置
記述問題では、次のように答えます。
「震源は地下で岩石の破壊が始まった場所であり、震央はその真上の地表の地点である。この地震の震源は、北緯35.0度・東経139.0度の震央の真下30 kmにある。」
地図に震央Aが示され、深さが10 kmと書かれていても、地図のAそのものを震源とは呼びません。断面図を描き、Aから鉛直下方10 kmの位置に震源を置きます。
確認1:直接確認
震源と震央を一文ずつ説明してください。震源は地下で岩石の破壊が始まった場所、震央は震源の真上にある地表の地点です。確認2:誤りを修正
「震央は地震が地下で始まった場所である」を直してください。地下で始まった場所は震源です。震央は、その震源の真上にある地表の地点です。確認3:別資料へ転用
地図上の点Bと「深さ50 km」が示されています。震源はどこですか。点Bを震央とし、その鉛直下方50 kmの地下です。転用する
初見の資料では、用語だけでなく「どの次元の位置か」を見ます。
- 地図上の緯度・経度だけなら地表の震央を表す。
- 深さが加われば、その真下に震源を置ける。
- 揺れの強さの分布は震度の資料であり、震央そのものの定義ではない。
- 断層面が広がっていても、震源は破壊開始点として示す。
この区別は、災害情報を読むときにも役立ちます。「震源地」という日常的な表現が出たら、資料が地下の震源を指すのか、地図上の震央付近を指すのかを確認します。
次は、同じ地震を上から見た平面図と横から見た断面図に描き、震源・震央・深さを行き来できるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。