結晶サイズ分布から組織と冷却履歴を読もう
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の4番目です。前のレッスンで、斑状組織は二段階、等粒状組織は地下でのゆっくりした冷却でできることを学びました。今回は、粒径階級ごとの個数・面積割合から、組織と冷却履歴を判定します。
今回完成させる力は、平均値だけでなく分布の形を見ることです。次は、分布を無視して一つの大結晶だけで決める誤答を直します。
まず知る
結晶サイズを階級に分けて数えると、岩石全体の特徴が見えます。
- 一つの大きさ付近に集まる:等粒状組織の可能性
- 小さい群と大きい群に分かれる:斑状組織の可能性
- 三群以上または広い連続分布:複雑な冷却履歴の可能性
平均値だけでは二群を見落とします。
例:
- 0.1 mmの結晶10個
- 3.9 mmの結晶10個
平均は2.0 mmですが、実際には2.0 mm付近の結晶はありません。「平均2 mmだから等粒状」とは言えません。
個数割合と面積割合も違います。大結晶は個数が少なくても、一個の面積が大きいため岩石中で目立ちます。
理解する
左は同程度の大きさへ連続的に集まります。右は細かな石基群と大きな斑晶群の二つの山があります。
ただし、石基の結晶は観察限界より小さく、一粒ずつ数えられないことがあります。その場合は「0.1 mm未満の領域が何%」など面積割合で表します。
分布を読む順序です。
- 横軸の階級と単位を確認
- 縦軸が個数・割合・面積のどれか確認
- 山の数と位置を見る
- 複数視野で再現するか確認
- 組織と冷却履歴を推定
使う
試料Aの20視野をまとめた結果です。
| サイズ | 個数 |
|---|---|
| 0.1 mm未満 | 測定不能だが面積82% |
| 0.1〜0.5 mm | 6 |
| 0.5〜1 mm | 2 |
| 1〜3 mm | 18 |
| 3〜5 mm | 12 |
細かな石基が面積82%あり、1〜5 mmの斑晶群もあります。斑状組織で、地下で斑晶が成長した後、残りが地表付近で急冷した可能性があります。
試料B:
| サイズ | 個数 |
|---|---|
| 0.1〜1 mm | 2 |
| 1〜2 mm | 18 |
| 2〜3 mm | 31 |
| 3〜4 mm | 16 |
| 4〜5 mm | 3 |
2〜3 mm付近を中心とした一つの山で、細かな石基がほとんどありません。等粒状組織の可能性があります。
誤答:「Aの斑晶は30個しかないので重要ではない。」
個数は少なくても大きな結晶は面積を占め、二群の存在が冷却履歴を示します。個数だけでなく面積とサイズを見る必要があります。
転用する
試料Cの平均結晶長はAとBのどちらも2 mmでした。しかしAは0.1 mmと3.9 mmに分かれ、Bは1.5〜2.5 mmに集まっています。平均が同じでもAは二群、Bは一群です。
別の資料Dでは、三つの山がありました。地下での成長、別のマグマとの混合、冷却速度の複数回変化などが考えられます。一つの原因へ断定せず、結晶内部や岩体の位置を追加で調べます。
サンプル数が5個だけなら分布の形は不安定です。視野と個数を増やし、同じ傾向が繰り返すか確かめます。
確認1:二つの山があるサイズ分布は何を示す?
大きな斑晶群と細かな石基群がある斑状組織、つまり冷却速度が途中で変わった可能性を示します。確認2:平均値だけでは足りない理由は?
小さい群と大きい群の平均が中間になり、実際には存在しない代表値で二群を隠すことがあるためです。確認3:個数割合と面積割合はなぜ分ける?
大結晶は少数でも一個の面積が大きく、個数では小さく見えても岩石中で大きな割合を占めるからです。まとめ
結晶サイズ分布は、軸・単位・山の数・面積割合・複数視野を確認します。一群なら等粒状、細かな群と大きな群なら斑状の可能性があります。平均だけでなく分布の形から冷却履歴を読みます。次は、一つの大結晶へ飛びつく誤答を修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。