LESSON 01

マグマのねばりけと噴火

ねばりけが違うと何が変わる?

ねばりけを流れにくさとして捉え、同じ条件での距離・広がり・厚さから低い場合と高い場合を区別します。

ねばりけが違うと何が変わる?

このレッスンの役割

ここは「マグマのねばりけと噴火」6レッスン中の1番目です。前のセクションで学んだ「地下でできたマグマが上昇し、火山活動につながる」という見方を受け取り、今回はマグマの流れにくさを表す「ねばりけ」だけに注目します。

今回完成させる力は、ねばりけが低い場合と高い場合を、広がり方・流れ方・たまり方から区別することです。まだ噴火の激しさを暗記する必要はありません。次のレッスンで模型実験を公平に比べられるよう、比較のものさしを作ります。

まず知る

ねばりけとは、物質がどれくらい流れにくいかを表す考え方です。

  • ねばりけが低い:さらさらしていて流れやすく、広く薄く広がりやすい
  • ねばりけが高い:どろどろしていて流れにくく、その場に厚くたまりやすい

水と蜂蜜を思い浮かべると違いをつかめます。ただし、これは動き方を理解するためのたとえです。マグマは非常に高温で、身近な液体と同じ物質ではありません。

同じ斜面、同じ量、同じ時間で比べると、ねばりけの違いが見えやすくなります。

観点 ねばりけが低い ねばりけが高い
流れやすさ 流れやすい 流れにくい
一定時間後の広がり 遠くまで広がりやすい あまり広がらない
厚さ 薄くなりやすい 厚くなりやすい
観察するときの問い どこまで進んだか どこにたまったか

理解する

次の図は、同じ量の液体を同じ傾きの台に置き、同じ時間だけ待ったときの模式図です。

ねばりけの低い液体と高い液体の広がり方の比較同じ斜面と時間なら、ねばりけが低い液体は遠く薄く広がり、高い液体は近くに厚くたまることを示すねばりけが低いねばりけが高い遠くまで広がる近くに厚くたまる

ここで大切なのは、「速い・遅い」という一瞬の印象だけで決めないことです。次の三つをそろえて見ます。

  1. どこまで進んだか
  2. どれくらいの面積に広がったか
  3. どれくらいの厚さで残ったか

たとえば、液体Aが30秒で40 cm進み、液体Bが30秒で10 cmしか進まなかったとします。台の傾き、量、温度が同じなら、Aのほうがねばりけが低いと考えられます。

一方、Aだけ量が多かったり、Aの台だけ急だったりすれば、進んだ距離の違いをねばりけだけのせいにはできません。ねばりけを理解することと、公平に比べることはセットです。

マグマのねばりけは、温度や成分などの影響を受けます。しかしこのレッスンでは、原因を細かく暗記するより、「ねばりけが変わると流れ方がどう変わるか」を確実にします。

使う

同じ傾きの板に、同じ体積の液体PとQを同時に置きました。20秒後の記録は次の通りです。

液体 進んだ距離 広がった幅 最も厚い部分
P 52 cm 18 cm 3 mm
Q 14 cm 8 cm 16 mm

Pは遠く、広く、薄くなっています。Qは近くに厚く残っています。したがって、この条件ではPのねばりけが低く、Qのねばりけが高いと判断できます。

よい説明は「Pのほうが速いから」で終わりません。

「同じ条件で、PはQより遠く広く進み、厚さも小さかった。流れやすく広がりやすいので、Pのほうがねばりけが低いと考えられる。」

このように、資料の数値を根拠にし、その根拠と結論を「流れやすさ」でつなぎます。

色は補助的な情報にしかなりません。「黒っぽいから必ずねばりけが低い」のように、色だけで決めるのは危険です。写真の明るさ、冷え方、表面の状態でも見え方は変わります。

転用する

初めて見る火山の写真で、溶岩が火口の近くに厚く盛り上がっているとします。この写真だけから言えるのは、「流れにくい物質が近くにたまった可能性がある」というところまでです。

ねばりけが高いと断定するには、溶岩がどこまで広がったか、斜面の傾きはどうか、噴出物はどう分布しているかなど、別の証拠も確かめます。理科の推定では、「ありそう」と「必ずそう」を分けることが大切です。

説明の型

「資料では[観察した事実]が見られる。これは[流れやすさとの関係]を示すため、[ねばりけについての結論]と考えられる。ただし、[追加で確認したい条件]も必要である。」

この型は、次の模型実験でも、後の火山資料問題でも使えます。

確認1:同じ条件で遠く薄く広がった液体は、ねばりけが高い?低い?ねばりけが低いと考えます。流れやすいため、一定時間に遠くまで進み、薄く広がりやすいからです。
確認2:「Qは遅いからねばりけが高い」だけでは足りないのはなぜ?量、斜面、時間、温度などの条件が違う可能性があり、遅さだけをねばりけの違いと結びつけられないからです。広がりと厚さも見ます。
確認3:火口近くに厚い溶岩がある火山を初見で説明すると?ねばりけの高いマグマが流れにくく、近くに厚くたまった可能性を述べます。ただし、斜面や溶岩分布など、複数の証拠で確かめる必要があります。

まとめ

ねばりけは「流れにくさ」です。低いと遠く薄く広がりやすく、高いと近くに厚くたまりやすくなります。判断するときは、同じ条件で、距離・広がり・厚さを比べます。次は、ねばりけと気泡の抜け方の関係を、安全な模型実験で公平に確かめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。