文字は数の「入れもの」
このレッスンの役割
「文字との出会い」全3レッスンの1番目です。小学校で使った□や数の決まりを出発点に、文字が数の代わりになる意味をつかみます。ここでは文字式の書き方や計算はまだ覚えません。
おすすめの学び方
このレッスンは、手順を暗記する回ではなく、考え方を理解する回です。文字を見たら、その文字に具体的な数を2つか3つ入れて、式の意味が変わらないか確かめながら読みましょう。
今日の問い
数学で使う x や a は、何を表しているのでしょう。
文字は、答えを隠すためだけの記号ではありません。場面に合う数を入れられる「入れもの」として働きます。
小学校の□から文字へ
小学校で、次のような式を見たことがあるでしょう。
□ + 5 = 12
□に入る数は7です。中学校では、この□の代わりに x などの文字を使います。
x + 5 = 12
このときの x は「条件に合う、まだ分からない一つの数」です。
しかし、文字にはもう一つ大切な使い方があります。1本120円の鉛筆を何本か買う場面で、本数を x 本とすると、x には1、2、3……といろいろな数が入ります。この x は「場面に応じて変わる数」です。
数を入れて確かめよう
x + 3 という式に、いくつかの数を入れます。
| xに入れる数 | x + 3 | 式の値 |
|---|---|---|
| 1 | 1 + 3 | 4 |
| 4 | 4 + 3 | 7 |
| −2 | −2 + 3 | 1 |
x が変わると式の値も変わります。それでも「入れた数に3を足す」という関係は変わりません。文字は、この共通する関係を残してくれます。
同じ文字には同じ数が入る
一つの式の中では、同じ文字は同じ数を表します。
x = 4 のとき、x + x は 4 + 4 です。左の x だけ4、右の x だけ別の数にはできません。
一方、別の問題へ移れば、x に別の数を入れてかまいません。文字そのものに決まった数が住んでいるわけではなく、問題の中で「この文字が何を表すか」を決めるからです。
例題:年齢を文字で表す
a が「今の年齢」を表すとします。
- 3年後の年齢は
a + 3 - 5年前の年齢は
a − 5
もし a = 12 なら、3年後は15歳、5年前は7歳です。
ここで大切なのは、答えを出す前に「a は今の年齢」と言葉で確認することです。文字の意味が決まれば、足すのか引くのかを判断できます。
よくある間違いと戻り方
間違い:文字は数字とは別の特別なものだと思う
原因は、文字の見た目に気を取られ、数を入れて確かめていないことです。
戻り方は簡単です。x = 2、x = 5 など、具体的な数を入れて式を読み直します。数を入れて普通の計算に戻せれば、文字も数の代わりだと分かります。
間違い:同じ式の二つのxへ別々の数を入れる
同じ文字は同じ数量を指します。別の数量を表したいときは、x と y のように別の文字を使います。
自分で確かめよう
nが今持っているカードの枚数なら、4枚増えた後を式で表しましょう。n = 6のとき、その式の値はいくつですか。n + nで、左のnに6、右のnに8を入れてよいでしょうか。理由も言いましょう。
答えと考え方
n + 46 + 4 = 10なので10枚- 入れられません。一つの式の中の同じ文字は、同じ数を表すからです。
次のレッスンへ
文字が数の代わりになることが分かりました。次は「文字を使うと、なぜ一つの式でたくさんの場合を表せるのか」を、表や図から考えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。