文字を使うと何が便利?
このレッスンの役割
「文字との出会い」全3レッスンの2番目です。前のレッスンで、文字にはいろいろな数を入れられると学びました。ここでは、その性質を使うと、たくさんの場合を一つの式にまとめられることを理解します。
おすすめの学び方
表の「数字の行」と「文字の行」を見比べ、どの部分が変わり、どの関係が変わらないかを言葉にしましょう。文字式は暗号ではなく、変わらない関係を保存する道具です。
今日の問い
1本120円の鉛筆を買います。1本なら120円、2本なら240円、5本なら600円です。買う本数がまだ決まっていないとき、代金を一つの式で表せるでしょうか。
本数をx本と決める
鉛筆の本数を x 本とします。代金は「1本の値段×本数」なので、次の式で表せます。
120 × x 円
| 鉛筆の本数 | 代金 |
|---|---|
| 1本 | 120 × 1 = 120円 |
| 2本 | 120 × 2 = 240円 |
| 5本 | 120 × 5 = 600円 |
| x本 | 120 × x 円 |
最後の行は、1本、2本、5本だけでなく、どの本数にも使えます。x に本数を入れれば、その場合の代金になります。
文字を使う三つのよさ
1. たくさんの場合を一つにまとめられる
数字だけの 120 × 5 = 600 は、5本の場合だけを表します。120 × x は、x に本数を入れ替えることで、すべての場合を表せます。
2. 数量の関係が見える
120 × x を読むと、「代金は本数の120倍」と分かります。計算結果だけでなく、「どの量とどの量が、どうつながるか」が式に残ります。
3. 数が決まる前から考えられる
買う本数がまだ決まっていなくても、代金の求め方は決められます。文字を使えば、分かっている関係から先に考えられます。
図形の共通ルールも表せる
一辺が a cmの正方形を考えます。
| 求める量 | どんな関係か | 文字を使った式 |
|---|---|---|
| 周の長さ | 一辺を4本分合わせる | 4 × a cm |
| 面積 | 一辺×一辺 | a × a cm² |
a が3でも10でも、この関係は変わりません。文字式は、特定の正方形一つではなく、すべての正方形に共通するルールを表します。
例題:みかんの代金とおつり
1個80円のみかんを n 個買います。
代金は「80円×個数」なので 80 × n 円です。500円を出したときのおつりは、500円から代金全体を引くので、500 − 80 × n 円です。
n = 4 なら、代金は 80 × 4 = 320 円、おつりは 500 − 320 = 180 円になります。数を入れて場面と一致すれば、作った式が正しい可能性が高いと確認できます。
よくある間違いと戻り方
間違い:1個80円をn個買う代金を80+nとする
原因は、「80」と「n」という数字や文字を、文章に出た順に足していることです。
戻り方は、まず具体的な2個で考えます。2個なら 80 + 80 = 160 円で、これは 80 × 2 と同じです。個数が n 個なら 80 × n だと分かります。
間違い:文字式は答えが出ていないから不完全だと思う
120 × x は、計算途中ではありません。「本数の120倍が代金」という関係を完成した形で表しています。
自分で確かめよう
- 1冊150円のノートを
m冊買う代金を式で表しましょう。 - 一辺が
bcmの正三角形の周の長さを式で表しましょう。 150 × mが150 × 4より広い範囲を表せるのはなぜですか。
答えと考え方
150 × m円3 × bcmmに1、2、4、10など、いろいろな冊数を入れられるからです。
次のレッスンへ
文字を使うと、たくさんの場合と数量の関係を一つの式にまとめられました。次は、できあがった文字式を言葉や場面へ戻し、「何を表す式なのか」を読み取ります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。