LESSON 01

文字との出会い

文字を使うと何が便利?

たくさんの場合を一つにまとめ、数量の関係を見える形で残せる文字のよさを理解する。

文字を使うと何が便利?

このレッスンの役割
「文字との出会い」全3レッスンの2番目です。前のレッスンで、文字にはいろいろな数を入れられると学びました。ここでは、その性質を使うと、たくさんの場合を一つの式にまとめられることを理解します。

おすすめの学び方

表の「数字の行」と「文字の行」を見比べ、どの部分が変わり、どの関係が変わらないかを言葉にしましょう。文字式は暗号ではなく、変わらない関係を保存する道具です。

今日の問い

1本120円の鉛筆を買います。1本なら120円、2本なら240円、5本なら600円です。買う本数がまだ決まっていないとき、代金を一つの式で表せるでしょうか。

本数をx本と決める

鉛筆の本数を x 本とします。代金は「1本の値段×本数」なので、次の式で表せます。

120 × x 円
鉛筆の本数 代金
1本 120 × 1 = 120円
2本 120 × 2 = 240円
5本 120 × 5 = 600円
x本 120 × x 円

最後の行は、1本、2本、5本だけでなく、どの本数にも使えます。x に本数を入れれば、その場合の代金になります。

いくつもの場合を文字式で一つにまとめる図 120円、240円、600円という個別の代金を、120かけるx円という一つの文字式にまとめる 1本 → 120円 2本 → 240円 5本 → 600円 120 × x 円 どの本数にも使える

文字を使う三つのよさ

1. たくさんの場合を一つにまとめられる

数字だけの 120 × 5 = 600 は、5本の場合だけを表します。120 × x は、x に本数を入れ替えることで、すべての場合を表せます。

2. 数量の関係が見える

120 × x を読むと、「代金は本数の120倍」と分かります。計算結果だけでなく、「どの量とどの量が、どうつながるか」が式に残ります。

3. 数が決まる前から考えられる

買う本数がまだ決まっていなくても、代金の求め方は決められます。文字を使えば、分かっている関係から先に考えられます。

図形の共通ルールも表せる

一辺が a cmの正方形を考えます。

求める量 どんな関係か 文字を使った式
周の長さ 一辺を4本分合わせる 4 × a cm
面積 一辺×一辺 a × a cm²

a が3でも10でも、この関係は変わりません。文字式は、特定の正方形一つではなく、すべての正方形に共通するルールを表します。

例題:みかんの代金とおつり

1個80円のみかんを n 個買います。

代金は「80円×個数」なので 80 × n 円です。500円を出したときのおつりは、500円から代金全体を引くので、500 − 80 × n 円です。

n = 4 なら、代金は 80 × 4 = 320 円、おつりは 500 − 320 = 180 円になります。数を入れて場面と一致すれば、作った式が正しい可能性が高いと確認できます。

よくある間違いと戻り方

間違い:1個80円をn個買う代金を80+nとする

原因は、「80」と「n」という数字や文字を、文章に出た順に足していることです。

戻り方は、まず具体的な2個で考えます。2個なら 80 + 80 = 160 円で、これは 80 × 2 と同じです。個数が n 個なら 80 × n だと分かります。

間違い:文字式は答えが出ていないから不完全だと思う

120 × x は、計算途中ではありません。「本数の120倍が代金」という関係を完成した形で表しています。

自分で確かめよう

  1. 1冊150円のノートを m 冊買う代金を式で表しましょう。
  2. 一辺が b cmの正三角形の周の長さを式で表しましょう。
  3. 150 × m150 × 4 より広い範囲を表せるのはなぜですか。
答えと考え方
  1. 150 × m
  2. 3 × b cm
  3. m に1、2、4、10など、いろいろな冊数を入れられるからです。

次のレッスンへ

文字を使うと、たくさんの場合と数量の関係を一つの式にまとめられました。次は、できあがった文字式を言葉や場面へ戻し、「何を表す式なのか」を読み取ります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。