人物ごとの行動表を作ろう:古語を文脈で読む
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いまは「古文の語句と主語」コースの「人物ごとの行動表を作ろう」です。このレッスンでは、現代語と違う意味を、前後の場面と語のまとまりで判断することに集中します。到達点は「各人物の発言と行動を時系列に整理し、主語の取り違えを防ぐ。」です。
受け取る力:古典の大意を人物・出来事・結果から捉え、注釈を使う力
中心技能:語句として、語句の意味と「誰がしたか」を文脈から確定する
次へ渡す力:古典の背景・価値観、複数作品の比較、根拠付き鑑賞へ進む力
古文では、分かっている人物の主語がよく省略されます。また、現代語と同じ形でも意味が違う語があります。一語ずつ訳してつなぐだけでは、人物を取り違えやすいため、場面と動作の流れを先に見ます。
現代語と意味が違う語
| 古語 | 主な意味の例 | 現代語との注意 |
|---|---|---|
| あはれ | しみじみと心を動かされること | 「かわいそう」だけではない |
| をかし | 趣がある、おもしろい、美しい | 笑えるだけではない |
| ありがたし | めったにない | 感謝の意味だけではない |
| うつくし | かわいらしい、いとしい | 現代の「美しい」とずれる |
| やがて | そのまま、すぐに | 文脈でどちらか判断 |
| いみじ | とても、すばらしい、ひどい | 良い・悪いは文脈で決まる |
単語帳では代表義を覚え、本文では周囲の人物の反応や出来事と合う意味を選びます。
主語を探す五つの手がかり
- 直前まで誰の行動を追っているか。
- 新しい人物が名詞で示されたか。
- 会話のかぎ括弧の前後で話者が変わったか。
- 敬語が誰から誰への敬意か。
- 同じ人物なら自然につながる動作か。
主語判定のミニ例
翁、竹の中に光るものを見つけたり。寄りて見れば、小さき人あり。取りて家に帰りぬ。妻に見せければ、喜びて養ひけり。
人物候補は翁、小さな人、妻です。
- 「見つけたり」:翁が主語。
- 「寄りて見れば」:動作が続くため翁。
- 「小さき人あり」:存在するのは小さな人。
- 「取りて家に帰りぬ」:小さな人を取って帰れるのは翁。
- 「妻に見せければ」:翁が妻へ見せる。
- 「喜びて養ひけり」:妻が見せられた直後で、妻が喜ぶと読むのが自然。ただし文脈全体で確認する。
人物と動作の表
| 動作 | 主語候補 | 根拠 |
|---|---|---|
| 見つける | 翁 | 冒頭で明示 |
| 近寄る | 翁 | 動作の連続 |
| 存在する | 小さな人 | 名詞が新しく提示 |
| 家に帰る | 翁 | 行動可能性と流れ |
| 喜ぶ | 妻 | 「妻に見せる」の直後 |
敬語を手がかりにする
敬語は、誰の動作を高めているか、誰へ敬意が向くかを考えます。ただし中学校段階では、注釈や人物の身分を使いながら判断します。
高い身分の人物に使われる尊敬語があれば、その動作の主語候補になります。謙譲表現なら、動作の受け手に敬意が向きます。敬語だけで決めず、会話と動作の流れも合わせます。
古語の意味を文脈で選ぶ
例:「いみじう泣く」
「いみじ」は程度が非常に大きいことを表し、ここでは「ひどく・たいそう」と読むのが自然です。良い意味の「すばらしい」を機械的に入れると、泣く場面と合いません。
意味を選ぶ順序:
- 品詞と語のまとまりを見る。
- 前後の出来事と人物の反応を見る。
- 代表義を入れて場面が自然か確かめる。
- 注釈や辞書で確定する。
よくある誤り
直前の名詞を必ず主語にする、現代語の意味だけを使う、会話の話者を変え忘れる、敬語一語だけで断定する、主語を一度決めたら後文で直さない、という誤りがあります。
主語は仮決定でよいので、動作を人物別に並べ、矛盾が出たら戻ります。
入試へのつなぎ方
「誰の行動か」「なぜそうしたか」を問う問題では、主語判定が土台です。選択肢を人物・行動・理由に分け、本文と照合します。
現代語訳問題では、一語一語より、主語・目的語・述語の関係を守ります。省略された語を補う場合、本文から確実に言える範囲にします。
練習のしかた
短い古文で人物名を色分けし、省略文の横に主語候補を書きます。翌日は根拠を一語で付け、三日後は注釈なしで仮決定してから答え合わせします。古語は文ごとカードにし、代表義と本文での意味を両面にします。
理解チェック1:主語を直前の人物に決めてよい?
決められません。会話、敬語、動作の連続、場面転換、行動可能性を合わせて判断します。理解チェック2:古語は代表義を覚えれば十分?
代表義は入口です。本文の出来事や人物の反応と合う意味を選び、注釈で確かめます。理解チェック3:主語を仮決定した後は?
後の動作や会話まで読み、人物の行動として矛盾しないか再確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。