LESSON 01

説明文・論説文の抽象語

説明文・論説文の抽象語:判断手順を一行ずつ使う

対の語を思い出し、組み立てで見当をつけ、文中の言い換えや具体例で確定し、自分の言葉で言い換えるという手順で、文中の抽象語の意味を決めます。

説明文・論説文の抽象語:判断手順を一行ずつ使う

このレッスンの役割

前のレッスンで、抽象語は対の語と組み立てで見当がつくことを知りました。ここでは、論説文の中で抽象語に出会ったとき、その文章での意味を決める手順を使えるようにします。

今回の中心技能は、「対の語を思い出す → 組み立てで見当をつける → 文中の言い換え・具体例で確定する → 自分の言葉で言い換える」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

次の文章で、「画一的」はどういう意味でしょうか。

学校の制服は、生徒を画一的に扱う仕組みだと批判されることがある。つまり、一人ひとりのちがいを無視して、みな同じ型にはめるというのである。

手順で決めます。対の語は「多様」。組み立ては「画(区切る)+一(ひとつ)」で「一つの型にそろえる」。文中の「つまり」のあとに「みな同じ型にはめる」と言い換えがある。自分の言葉で「全員を同じ扱いにすること」。これで確定です。

手順を一行ずつ

段階 すること 「画一的」の場合
1 対の語を思い出す 多様↔画一
2 組み立てで見当をつける 一つの型にそろえる
3 文中の言い換え・具体例で確定する 「つまり、みな同じ型にはめる」
4 自分の言葉で言い換える 全員を同じ扱いにすること

段階3が、論説文ならではの手掛かりです。筆者は抽象語を使ったあと、「つまり」「すなわち」「たとえば」で言い換えや例を出します。そこを探せば、文章の中に答えがあります。

例題1:「普遍的」

音楽は言葉を超えて人を動かす。この力は、特定の文化にしか通じないものではなく、普遍的なものだ。

  1. 対:特殊↔普遍
  2. 組み立て:普く(あまねく)+遍く → どこにでも行きわたる
  3. 文中:「特定の文化にしか通じないものではなく」と対で説明されている
  4. 自分の言葉:どの文化の人にも通じる

例題2:「契機」

震災を契機に、多くの人が防災について考えるようになった。

  1. 対:なし(対のない語もある)
  2. 組み立て:契(結ぶ)+機(きっかけ)
  3. 文中:「震災を〜に、〜ようになった」の形で、変化の始まりを示している
  4. 自分の言葉:きっかけ

例題3:「相対的」

「速い」という評価は相対的だ。新幹線は自動車に比べれば速いが、飛行機に比べれば遅い。

  1. 対:絶対↔相対
  2. 組み立て:相(たがいに)+対(むかいあう) → 他と比べて
  3. 文中:「自動車に比べれば」「飛行機に比べれば」と、比べる相手で変わる例
  4. 自分の言葉:比べる相手によって決まる

文中の手掛かりの型

合図 何が来るか
つまり・すなわち・要するに 言い換え(抽象語の説明)
たとえば・具体的には 具体例(抽象語の中身)
〜ではなく 対の語(境目)
〜とは、〜のことである 定義
一方・これに対して 対比される語

抽象語の前後でこれらの合図を探すと、段階3が進みます。

段階3で説明が見つからないとき

文中に言い換えがないときは、段階1と2で決めた意味を文に当てはめて、意味が通るか確かめます。通れば、その意味で読み進めます。通らなければ、辞書的な意味とは別の使い方をしている可能性があるので、前後の段落まで探します。

よくある間違い

段階3を飛ばして辞書の意味で読む

「逆説」のように、文脈で意味が決まる語があります。文中の説明が根拠です。

対の語を思い出さない

「相対的」を単独で考えるより、「絶対的ではない」と対で考えるほうが速く決まります。

自分の言葉で言い換えない

言い換えられなければ、まだ分かっていません。設問で「どういうことか」と問われたとき、段階4の言葉がそのまま答えになります。

自分で確かめよう

確認1:「潜在的な能力」を四段階で

顕在↔潜在 → 潜む+在る(隠れてある) → 文中では「まだ表に出ていない」などの説明を探す → 自分の言葉:まだ発揮されていない力。

確認2:抽象語の説明を文中で探すときの合図を三つ

「つまり」「たとえば」「〜ではなく」です。ほかに「〜とは」「一方」もあります。

確認3:段階4をやる理由

自分の言葉で言い換えられれば理解した証拠であり、記述問題の答えにもそのまま使えるからです。

まとめと次の一歩

手順は、対の語を思い出す、組み立てで見当をつける、文中の言い換えや具体例で確定する、自分の言葉で言い換える、の四段階です。「つまり」「たとえば」「〜ではなく」が文中の手掛かりです。

次のレッスンでは、抽象語でよく起きる取り違えを集め、どこで崩れたかを見抜けるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:抽象語の意味を決める手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    文中の抽象語の意味を決める手順で、段階3にあたるものはどれですか。
  2. 設問 1
    抽象語の言い換えが続く合図として適切なものはどれですか。
  3. 設問 2
    「『速い』という評価は相対的だ。新幹線は自動車に比べれば速いが、飛行機に比べれば遅い。」の「相対的」の意味はどれですか。
  4. 設問 3
    「震災を契機に、防災を考えるようになった」の「契機」の言い換えはどれですか。
  5. 設問 4
    「〜ではなく」が文中にあるとき、空欄の抽象語について分かることはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。