LESSON 01

小学校漢字の理解度チェック

書きの力を確かめよう

音と意味から漢字を思い出し、候補選びと字形のどこで止まるかを診断します。

書きの力を確かめよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、文字を見て読みを取り出しました。今回は向きを反対にし、音や意味から正しい漢字を取り出します。

中心技能は「意味をつかむ→漢字を選ぶ→字形を点検する」の三段階を自力で行うことです。目安時間は8分です。手本を見ながら写すのではなく、必ず一度は答えを隠して書いてください。

読めるのに書けないのはなぜ?

「観察」を見れば「かんさつ」と読めるのに、ひらがなだけを見ると書けないことがあります。

読むときは、目の前の形が記憶を助けてくれます。書くときは、その形を自分で記憶から取り出さなければなりません。

そのため、漢字学習には二つの練習が必要です。

  • 見て意味や読みを確かめる練習
  • 見ないで思い出して書く練習

二つ目がないと、「見れば分かる」で止まります。

三段階で書こう

問題:

実験の結果をキロクする。

1 文の意味をつかむ

ここでは、実験で分かったことを後から確認できるように残す、という意味です。

2 意味に合う漢字を選ぶ

「記」は書きしるすこと、「録」は残しておくことに関係します。したがって「記録」を選びます。

3 字形を部品で点検する

  • 記=ごんべん+己
  • 録=かねへん+右側の「緑」にもある部分

最後に文へ戻し、「実験の結果を記録する」と読んで意味が通るか確かめます。

書けない場所は三種類ある

止まった場所 状態 必要な練習
候補が出ない 「きろく」の漢字を思い出せない 答えを隠し、音から想起する
候補を選べない 同じ音の別の漢字と迷う 例文と意味を比べる
形が完成しない 部首・点・線を誤る 部品を見てから、隠して再現する

「書けなかった」という結果だけでなく、最初に止まった場所を見つけます。

例題:同じ音の候補を選ぶ

地域の歴史にカンシンをもつ。

候補として「関心」と「感心」が浮かぶかもしれません。

意味
関心 興味をもって気にかけること 環境問題に関心をもつ
感心 立派だと思い心を動かされること 努力に感心する

問題文は歴史に興味をもつという意味なので「関心」です。形を正しく書けても、意味に合わなければ正解にはなりません。

字形は「全体の雰囲気」で覚えない

「なんとなく似ている形」を書くと、点や線が抜けやすくなります。次のように部品で確かめます。

  • 議=ごんべん+義
  • 察=うかんむり+祭
  • 賛=上部の形+貝
  • 録=かねへん+右側の形
  • 関=もんがまえ+中の形

部首は意味の手掛かりになることもあります。たとえば、言葉や発言に関係する漢字に「ごんべん」が多いことを知ると、候補をしぼりやすくなります。

ミニ診断

かっこのひらがなを漢字に直してください。

  1. 問題の原因を(しら)べる。
  2. 友達の意見に(さんせい)する。
  3. 決めたことを(じっこう)する。
  4. 大切な点を(かくにん)する。
  5. 地域の行事に(さんか)する。
  6. 観察したことを(きろく)する。
答えと点検する場所
  1. 調べる。「調」の右側は「周」です。
  2. 賛成。「賛」の下には「貝」があります。
  3. 実行。「実」と「行」の組み合わせです。
  4. 確認。「確」の石へん、「認」のごんべんを確認します。
  5. 参加。「参」と「加」です。
  6. 記録。「記」と「録」の部首を確かめます。

よくある間違い

答えを見てから何度も写す

写している間は、手本が形を教えてくれます。入試のように手本がない場面の練習にはなりにくい方法です。

次の順で行います。

  1. 正しい形を一度よく見る
  2. 部品と意味を声に出す
  3. 手本を隠す
  4. 何も見ずに書く
  5. 違った部分だけを直す

一度書けたら覚えたと思う

短い記憶で書けただけかもしれません。翌日と数日後にも、答えを隠して再確認します。

自分で確かめよう

確認1:「意見にサンセイする」を書く

「意見をよいと認める」という意味なので「賛成」です。書いた後、「賛」の下に「貝」があるかを点検します。

確認2:「歴史にカンシンをもつ」を書く

興味をもつという意味なので「関心」です。「感心」は立派だと思う場面で使います。

確認3:自分の間違いを分類する

漢字が浮かばなければ「想起」、別の同音語を書いたら「意味選択」、部首や線を誤ったら「字形」です。最初に止まった場所を一つ選びます。

まとめと次の一歩

漢字を書くときは、音からいきなり形へ飛びません。文の意味をつかみ、候補を選び、部品で字形を点検します。

次は、送り仮名と同音・同訓の候補を、文の意味や言葉の変化を根拠に選びます。

判断の流れを図で整理する

「小学校漢字の理解度チェック」では、答えだけでなく、どの手掛かりから判断したかを残すことが大切です。次の図は、漢字や読みを文の中で確定する流れです。

書きの力を確かめようで使う漢字判断の流れ 表記を観察し、語の意味を考え、文脈と照合し、文全体で確認する四段階 表記を見る読み・形・部品 語の意味言い換える 文脈と照合前後に合うか 再確認文を読む

図の四段階を使うと、同じ間違いを繰り返しにくくなります。たとえば候補が二つあるときは、先に語の意味を短い日本語へ言い換えます。そのあと文の主語・述語・目的語とのつながりを確認します。最後に、選んだ読みや表記で文全体を声に出し、不自然さがないか確かめます。

誤答から復習先を決める

間違いは、次の四種類に分けます。

誤りの種類 起きていること 戻る行動
読み 語のまとまりを切り違えた 前後を含めて音読する
意味 語を別の意味で捉えた 短い言葉へ言い換える
選択 候補を比べず決めた 二候補の違いを書く
部品や送り仮名が曖昧 見本を閉じて再現する

正答した問題も、理由を説明できなければ「たまたま」の可能性があります。答えを隠し、判断の手掛かりを先に言ってから再答してください。翌日と一週間後にも同じ手順を短く行うと、思い出す力が安定します。

確認:理由まで言えるか このレッスンで扱った例を一つ選び、「文脈では〜という意味なので、この読み/字を選ぶ」と説明してください。
確認:誤答の種類を見分ける 自分の直近の間違いを、読み・意味・選択・形のどれかに分類し、次に行う確認を一つ決めてください。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。