LESSON 01

音読み・訓読みを使い分けよう

音読みと訓読みは何が違う?

二つの読み方を意味との結び付きから理解し、見分ける視点を持ちます。

音読みと訓読みは何が違う?

このレッスンの役割

前のセクションでは、文脈から読みを一つへ決めました。今回は、その前段階として読みの候補を作る知識を学びます。

中心技能は、音読みと訓読みを「読み方の由来」と「意味の伝わり方」から説明することです。目安時間は7分です。すべてを丸暗記せず、まず違いの考え方をつかみます。

同じ漢字に複数の読みがある理由

「山」には「サン」と「やま」があります。

  • 富士山の「サン」
  • 高い山の「やま」

漢字は中国から伝わりました。そのときの中国語の音を、日本語で言いやすい形にした読みが音読みのもとです。

一方、日本にもともとあった「やま」という言葉を、同じ意味の「山」という字へ当てた読みが訓読みです。

二つの読みの特徴

観点 音読み 訓読み
成り立ち 中国から伝わった音がもと 日本語の意味を漢字へ当てた
使われ方の傾向 二字以上の熟語に多い 一字の語や送り仮名付きの語に多い
山脈=サンミャク 山=やま、登る=のぼる
意味の伝わり方 一字の音だけでは意味が決まりにくいことがある 読みそのものが日本語の意味を持ちやすい

これは「必ず」ではなく「多い傾向」です。例外や音訓が混ざる熟語も、後のレッスンで扱います。

例題:読み方を分類する

次の「生」を見ます。

  1. 生命の「セイ」
  2. 一生の「ショウ」
  3. 生きるの「い」
  4. 生まれるの「う」
  5. 生の野菜の「なま」

「セイ」「ショウ」は音読みです。「い」「う」「なま」は訓読みです。

一字に音読みが複数、訓読みも複数ある場合があります。「音か訓か」が分かっても、最終的な読みは語と文脈で決めます。

見分ける手掛かり

熟語になっている

「安全」「自然」「読書」のような漢字二字以上の熟語は、音読みの組み合わせが多くあります。

送り仮名がある

「安全な」では「安全」までが熟語ですが、「安い」の「い」は漢字の読みの一部を補っています。「安い」は訓読みの語です。

一字だけで日本語の意味が分かる

「山=やま」「川=かわ」「読む=よむ」のように、読みがそのまま日本語の意味を表すものは訓読みです。

よくある間違い

カタカナなら音読み、ひらがななら訓読みと思う

教科書や辞書で区別のためにカタカナ・ひらがなを使うことがありますが、文字の書き方そのものが音訓を決めるわけではありません。

熟語はすべて音読みと思う

「手紙」「青空」のように訓読みを組み合わせた熟語や、音訓が混ざる熟語もあります。

送り仮名だけで絶対に訓読みと決める

有力な手掛かりですが、語ごとの読みを確認する必要があります。傾向を候補作りに使い、文脈で確定します。

自分で確かめよう

確認1:「山脈」と「山」の読み方

「山脈」の「サン」は音読み、「山」の「やま」は訓読みです。

確認2:「読む」の「よ」はどちら?

訓読みです。日本語の「よむ」という意味を漢字へ当て、変化する部分を送り仮名で示しています。

確認3:音訓の知識は何のため?

初めて見る語で読みの候補を作るためです。最後は熟語・送り仮名・文脈を合わせて決めます。

まとめと次の一歩

音読みは伝わった音をもとにし、訓読みは日本語の意味を漢字へ結び付けた読みです。

次は訓読みを取り出し、一字の意味と送り仮名を手掛かりに読みます。

判断の流れを図で整理する

「音読み・訓読みを使い分けよう」では、答えだけでなく、どの手掛かりから判断したかを残すことが大切です。次の図は、漢字や読みを文の中で確定する流れです。

音読みと訓読みは何が違う?で使う漢字判断の流れ 表記を観察し、語の意味を考え、文脈と照合し、文全体で確認する四段階 表記を見る読み・形・部品 語の意味言い換える 文脈と照合前後に合うか 再確認文を読む

図の四段階を使うと、同じ間違いを繰り返しにくくなります。たとえば候補が二つあるときは、先に語の意味を短い日本語へ言い換えます。そのあと文の主語・述語・目的語とのつながりを確認します。最後に、選んだ読みや表記で文全体を声に出し、不自然さがないか確かめます。

誤答から復習先を決める

間違いは、次の四種類に分けます。

誤りの種類 起きていること 戻る行動
読み 語のまとまりを切り違えた 前後を含めて音読する
意味 語を別の意味で捉えた 短い言葉へ言い換える
選択 候補を比べず決めた 二候補の違いを書く
部品や送り仮名が曖昧 見本を閉じて再現する

正答した問題も、理由を説明できなければ「たまたま」の可能性があります。答えを隠し、判断の手掛かりを先に言ってから再答してください。翌日と一週間後にも同じ手順を短く行うと、思い出す力が安定します。

確認:理由まで言えるか このレッスンで扱った例を一つ選び、「文脈では〜という意味なので、この読み/字を選ぶ」と説明してください。
確認:誤答の種類を見分ける 自分の直近の間違いを、読み・意味・選択・形のどれかに分類し、次に行う確認を一つ決めてください。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。