LESSON 01

同訓異字を使い分けよう

同訓異字を使い分けよう:意味と手掛かりをつかむ

同じ訓読みを持つ漢字を、「何を」「どうする」という対象と意味、そしてその字を使う音読みの熟語から書き分ける入口をつかみます。

同訓異字を使い分けよう:意味と手掛かりをつかむ

このレッスンの役割

前のセクションでは、同じ音読みの熟語(同音異義語)を扱いました。ここでは、同じ訓読みを持つ漢字、同訓異字を文脈に合わせて書き分けます。

今回の中心技能は、「はかる」「おさめる」のように同じ訓を持つ漢字を、対象(何を)と意味(どうする)、そしてその字を使う音読みの熟語から選ぶことです。目安時間は8分です。

今日の問い

「体重をはかる」「時間をはかる」「深さをはかる」。三つの「はかる」は、同じ漢字でしょうか。

ちがいます。

文 漢字 対象 その字の熟語
体重をはかる 量る 重さ・かさ 計量・分量
時間をはかる 計る 時間・数 計算・計時
深さをはかる 測る 長さ・深さ・高さ・面積 測定・測量

訓は同じ「はかる」でも、何をはかるかで漢字が決まります。そして、その漢字を使う音読みの熟語(計量・計算・測定)を思い出すと、意味の方向が確かめられます。

同訓異字を見分ける二つの手掛かり

手掛かり 問い 例
対象 何を? 誰を? 重さなら「量る」、長さなら「測る」
音読みの熟語 その字でできる熟語は? 量→計量、測→測定、計→計算

音読みの熟語に置きかえられれば、漢字が決まります。「深さを測定する」とは言えても「深さを計量する」とは言わないので、「測る」です。

よく出る組を手掛かりで分ける

訓 漢字と対象・意味 熟語の手掛かり
はかる 計る(時間・数)/測る(長さ・深さ)/量る(重さ・かさ)/図る(計画する・企てる)/諮る(相談する) 計算・測定・計量・意図・諮問
おさめる 収める(中に入れる、手に入れる)/納める(渡すべきものを渡す)/治める(しずめる、統治する)/修める(学問や行いを正しくする) 収納・納税・治安・修学
あげる 上げる(位置や程度を上へ)/挙げる(はっきり示す、行う)/揚げる(高くかかげる、油で揚げる) 上昇・列挙・掲揚
あう 合う(一致する)/会う(人と顔を合わせる)/遭う(災難に出くわす) 合致・会談・遭難
かえる 変える(状態を変える)/換える(取りかえる)/替える(別のものにする)/代える(代わりにする) 変化・交換・交替・代理

同じ組でも、対象と熟語の両方で確かめると迷いません。

例題:「成功をおさめる」

対象は「成功」で、「手に入れて自分のものにする」という意味です。熟語なら「収穫」「収得」の「収」が合います。したがって「収める」です。「税金を納める」は渡すべきものを渡すので「納」、「国を治める」は統治なので「治」、「学問を修める」は身につけるので「修」です。

例題:「解決をはかる」

対象は「解決」で、「そうなるように計画する・努める」という意味です。熟語なら「意図」「企図」の「図」なので「図る」です。数や長さをはかるのではありません。「会議にはかる」なら、相談する意味なので「諮る」です。

よくある間違い

訓だけで覚えて、対象を見ない

「はかる」と聞いて「計る」と書くと、重さや長さで間違えます。「何を」を先に言います。

熟語を思い出さずに決める

「深さを測る」が合っているかは「測定」に置きかえると確かめられます。熟語は自分の判断を確かめる道具です。

一つの字にまとめようとする

「はかる」は五つあります。場面ごとに字がちがう、という前提で考えます。

自分で確かめよう

確認1:「荷物の重さをはかる」の「はかる」はどれですか

「量る」です。対象が重さで、熟語「計量」に置きかえられます。

確認2:「手を挙げる」と「手を上げる」はどうちがいますか

「挙げる」は、意見があるとはっきり示す(挙手)。「上げる」は、物理的に手を上の位置へ動かす(上昇)。「はっきり示す」意味なら「挙」です。

確認3:同訓異字を見分ける二つの手掛かりは何ですか

対象(何を・誰を)と、その字を使う音読みの熟語です。

まとめと次の一歩

同訓異字は、対象(何を)と、その字を使う音読みの熟語(計量・測定・計算)で見分けます。訓だけで一つの字に決めず、場面ごとに字がちがう前提で考えます。

次のレッスンでは、この見分け方を手順にして、迷う語でも同じ順で判断できるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:同訓異字の見分け方

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「体重をはかる」の「はかる」はどれですか。
  2. 設問 1
    「深さをはかる」の「はかる」はどれですか。
  3. 設問 2
    同訓異字を見分ける二つの手掛かりは何ですか。
  4. 設問 3
    「成功をおさめる」の「おさめる」はどれですか。
  5. 設問 4
    「解決をはかる」の「はかる」はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。