LESSON 01

音読み・訓読みを使い分けよう

初めて見る語の読みを仮決めしよう

音訓・送り仮名・文脈を組み合わせ、未知語の読み候補を作ります。

初めて見る語の読みを仮決めしよう

このレッスンの役割

ここまでに、訓読み、熟語の音読み、音の変化、混合読みを学びました。今回はそれらを使い、初めて見る語の読み候補を作ります。

中心技能は、手掛かりから仮の読みを作り、確定前の推測として扱うことです。目安時間は8分です。

推測は「当てずっぽう」ではない

初見語を読むとき、知っている情報を順に使います。

  1. 送り仮名があるか
  2. 一字の語か、熟語か
  3. 音読み・訓読みのどちらが多そうか
  4. 音の変化が起こりそうか
  5. 文脈の意味に合うか

これらから仮の読みを作ります。ただし、傾向には例外があるため、推測を確定とは呼びません。

例題:未習の熟語を考える

文:

山里の暮らしを紹介する写真が展示された。

「山里」を初めて見たとします。

  1. 漢字二字なので、まず音読みの組み合わせも候補にする
  2. 文脈を見ると、山の中にある人の暮らす場所を表している
  3. 山=やま、里=さとという、意味がそのまま伝わる訓読みを候補にする
  4. 語全体では「さと」が「ざと」と濁る
  5. 「やまざと」と仮決めし、辞書の意味と例文で確定する

これは訓+訓の語で、後半の音が変化しています。

このように、二字だから音読みと決めず、文脈・音訓・音の変化を組み合わせます。

例題:送り仮名を使う

文:

状況を省みる。

「省」には「ショウ」「セイ」などの音読みがあります。しかし「みる」という送り仮名が続き、「自分の行いを振り返る」という意味です。

語全体は「かえりみる」と読みます。送り仮名と文脈が、音読み候補ではないことを教えています。

仮決めした後の確認

  • 文へ戻して意味が通るか
  • 辞書の見出しに同じ語があるか
  • 音声が使えるなら発音を確認する
  • 例文が元の文脈と同じ意味か

辞書で最初に出た読みを採用するのではなく、意味の項目まで照合します。

ミニ練習

次の語について、最初に見る手掛かりを答えてください。

  1. 山を仰ぐ
  2. 状況を省みる
  3. 学級会
  4. 台所用品
  5. 青空教室
答えと読み
  1. 送り仮名と動作の意味を見る。「あおぐ」。
  2. 送り仮名と「振り返る」の意味を見る。「かえりみる」。
  3. 音読みの熟語と音の変化を見る。「がっきゅうかい」。
  4. 音+訓の混合語「台所」を語全体で見る。「だいどころようひん」。
  5. 訓+訓の「青空」と音読みの「教室」に分ける。「あおぞらきょうしつ」。

よくある間違い

最初の候補を正解だと思う

推測は仮決めです。文脈と辞書で確定します。

知らない語をすぐ一字ずつ検索する

まず語のまとまりを保って調べます。語全体に固有の読みや音の変化があるためです。

推測できないことを失敗と思う

使える手掛かりが少なければ、調べるのが正しい行動です。「何が分からないか」を特定できれば、無根拠な読みを避けられます。

自分で確かめよう

確認1:初見語を見る順番

送り仮名、語のまとまり、音訓の傾向、音の変化、文脈の意味の順に手掛かりを集めます。

確認2:仮決めと確定の違い

仮決めは手掛かりから作った候補です。辞書の意味・例文・音声まで合えば確定できます。

確認3:「省みる」を音読みしない理由

「みる」という送り仮名があり、文中で「振り返る」という訓読みの意味を表すからです。

まとめと次の一歩

初見語では、音訓・送り仮名・文脈から読みを仮決めし、語全体で確定します。

次は入試形式で、読みの種類と判断根拠をまとめて確かめます。

判断の流れを図で整理する

「音読み・訓読みを使い分けよう」では、答えだけでなく、どの手掛かりから判断したかを残すことが大切です。次の図は、漢字や読みを文の中で確定する流れです。

初めて見る語の読みを仮決めしようで使う漢字判断の流れ 表記を観察し、語の意味を考え、文脈と照合し、文全体で確認する四段階 表記を見る読み・形・部品 語の意味言い換える 文脈と照合前後に合うか 再確認文を読む

図の四段階を使うと、同じ間違いを繰り返しにくくなります。たとえば候補が二つあるときは、先に語の意味を短い日本語へ言い換えます。そのあと文の主語・述語・目的語とのつながりを確認します。最後に、選んだ読みや表記で文全体を声に出し、不自然さがないか確かめます。

誤答から復習先を決める

間違いは、次の四種類に分けます。

誤りの種類 起きていること 戻る行動
読み 語のまとまりを切り違えた 前後を含めて音読する
意味 語を別の意味で捉えた 短い言葉へ言い換える
選択 候補を比べず決めた 二候補の違いを書く
部品や送り仮名が曖昧 見本を閉じて再現する

正答した問題も、理由を説明できなければ「たまたま」の可能性があります。答えを隠し、判断の手掛かりを先に言ってから再答してください。翌日と一週間後にも同じ手順を短く行うと、思い出す力が安定します。

確認:理由まで言えるか このレッスンで扱った例を一つ選び、「文脈では〜という意味なので、この読み/字を選ぶ」と説明してください。
確認:誤答の種類を見分ける 自分の直近の間違いを、読み・意味・選択・形のどれかに分類し、次に行う確認を一つ決めてください。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。