LESSON 01

小学校漢字の理解度チェック

このチェックで見つける三つの力

漢字の読み・書き・文脈判断を分けて確かめ、原因に合う復習を始めます。

このチェックで見つける三つの力

このレッスンの役割

ここは「漢字を読む・書く」コースの入口です。これから問題を解く前に、漢字のつまずきを三つの力に分けて見られるようにします。

今回の中心技能は、間違いを「読む・書く・文脈で選ぶ」のどこで起きたか説明できることです。漢字をたくさん覚えるのは、この後のレッスンで行います。

目安時間は6分です。答えを読み返すだけでなく、いったん隠して、自分の言葉で理由を説明してください。

同じ不正解でも、原因は違う

次の文を考えます。

科学者が新しい方法を提案し、その効果を測った。

この一文だけでも、三つの力が働いています。

この文で確かめられること 止まりやすい場所
読む力 「提案」「効果」「測った」を読める 漢字を見ても音が出てこない
書く力 「ていあん」「こうか」を漢字で書ける 読めるが、何も見ずには書けない
選ぶ力 効果を「測る」が文脈に合うと判断できる 「計る・測る・量る」で迷う

すべてを「漢字が苦手」とまとめると、何を練習すればよいか分かりません。原因を分ければ、必要な練習も変わります。

漢字の三つの力と練習の対応 読む力は読みを思い出す練習へ、書く力は答えを隠して書く練習へ、選ぶ力は例文の意味を比べる練習へつながることを示す図。 読む力 文字 → 音・意味 書く力 音・意味 → 文字 選ぶ力 文脈 → 正しい表記 読みを隠して声に出す 手本を隠して思い出して書く 候補の意味を例文で比べる

「知っている」と「使える」は同じではない

答えを見て「知っていた」と感じても、何も見ずに取り出せなければ、入試では使えません。

漢字の学習には、少なくとも三つの状態があります。

  1. 見れば分かる
  2. 少し考えれば思い出せる
  3. 文の中ですぐ正しく使える

診断では、3だけを合格と決めつけません。1から2へ、2から3へ進むために、現在地を正確に見つけます。

例題:間違いの原因を見つける

問題:

「地域の安全をホショウする」のホショウを漢字で書きなさい。

生徒Aは「補償」と書きました。字の形は正しく書けています。しかし、この文の「安全を守る」という意味には「保障」が合います。

この間違いは「書く力」ではありません。漢字は書けているからです。「音が同じ候補を、文脈で選ぶ力」のつまずきです。

一方、「保障」と答えたいことは分かっていたのに「障」の右側が書けなかったなら、「書く力」のつまずきです。同じ不正解でも戻る場所が違います。

よくある判断ミス

一問の不正解だけで「覚えていない」と決める

不正解の原因は、知識不足だけではありません。問題文を読み飛ばした、候補の意味を混同した、字形の一部を思い出せなかった、という場合もあります。

正解なら問題なしと決める

当てずっぽうで正解した問題は、まだ安定していません。「なぜその漢字か」を説明できるかまで確かめます。

すべて十回ずつ写す

原因が読み方なら、写すだけでは読みを取り出す練習になりません。原因に合う方法を選ぶことが大切です。

自分で確かめよう

確認1:三つの力を分ける

「資料の内容をセイリする」の「セイリ」を読めるが、漢字で書けなかった場合は「書く力」のつまずきです。候補となる漢字を思い出して形にする段階で止まっています。

確認2:原因を説明する

「人気のない道」の「人気」を「にんき」と読んだ場合は、文字の読みそのものを知らないとは限りません。文中の「人の気配がない」という意味を使って読みを選べなかったため、「読む力の中の文脈判断」で止まっています。

確認3:練習方法を選ぶ

「関心」を見れば読めるが、翌日に書けない場合は、答えを隠して思い出す練習が必要です。今日、翌日、数日後と間を空けて書き直します。

まとめと次の一歩

今回できるようになったのは、漢字の不正解を三つの力へ分けることです。

  • 読めないなら、文字から音と意味を取り出す
  • 書けないなら、手本を隠して形を取り出す
  • 選べないなら、文脈と候補の意味を比べる

次のレッスンでは、この地図のうち「読む力」だけを取り出し、どこで判断が止まるのかを詳しく確かめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。