LESSON 01

内容の不足と余分を見つけよう

内容の不足と余分を見つけよう 2|読み手テストを行う

読み手が疑問に思う場所を想像し、情報を補う・削る。上位の目的から表記へ順に見直します。

内容の不足と余分を見つけよう:読み手テストを行う

このレッスンの位置

いまは「読み手に応じて推敲する」コースの「内容の不足と余分を見つけよう」です。このレッスンでは、読み手が疑問に思う場所を想像し、情報を補う・削ることに集中します。到達点は「読み手の疑問に必要な説明を補い、主題から外れる情報を削る。」です。

受け取る力:材料を構成し、主張・根拠・説明を一組にして書く力
中心技能:手順として、文章を目的と読み手に合う形へ改善する
次へ渡す力:発表原稿、議論、複数資料作文を、伝わり方まで考えて仕上げる力

推敲は、誤字脱字を探すだけではありません。文章の中心が課題へ答えているか、読み手に必要な情報があるか、段落の順序が自然かを先に確認します。大きな設計を直してから、一文と表記へ下ります。

上から下へ見直す

段階 確認すること 直す例
1 目的・条件 課題へ答え、指定を守るか 資料使用・字数・文体を補う
2 中心・構成 主張が一貫し段落に役割があるか 段落移動、不要部分削除
3 根拠・説明 主張との関係が分かるか 橋渡しの説明を加える
4 文のつながり 主語、指示語、接続が明確か 「それ」の指す語を明記
5 表記 誤字、句読点、漢字、文末 最後に整える
内容の不足と余分を見つけようの推敲ピラミッド 目的と読み手、構成、根拠、文、表記の順に上位から見直す五段階 目的・読み手中心・構成根拠・説明文のつながり表記・誤字 先に直す後で直す

読み手を具体的にする

同じ内容でも、生徒会への提案、地域の人への案内、小学生への説明では、必要な言葉と情報が変わります。

元の文:

これをすると、とてもよくなるので、みんなでやるべきです。

何を、どうすると、誰にとって、何がよくなるか不明です。

改善:

昼休みに図書室の一部を会話できる席に分ければ、静かに読む生徒と調べ学習で相談する生徒の両方が利用しやすくなる。まず一週間試行し、利用者の感想を集めることを提案する。

行動、対象、効果、条件が具体化されました。

推敲の実例

修正前:

私は朝の読書時間がいいと思います。アンケートで52%でした。これはいいことです。だからやるべきです。でも時間がありません。

問題は数字の意味、主張との関係、「時間がない」の対象が不明なことです。

修正後:

私は週に一度、十分間の朝読書を試すことを提案する。学校アンケートでは、回答者の52%が「落ち着いて一日を始めたい」と答えた。短時間の読書は、その希望に応える一つの方法になる。一方、授業時間を減らせないため、まず一か月、朝の会の一部で試し、効果を確かめたい。

修正点 変更内容 読み手への効果
主張 「いい」から具体的提案へ 行動が分かる
根拠 52%の内容を明記 数字の意味が分かる
説明 希望と読書を接続 なぜ支えるか分かる
反対条件 時間不足を具体化 実現性を判断できる
結論 試行と検証を提案 次の行動が分かる

一文を点検する

主語と述語

「資料を読んで、必要だと思った」は、誰が何を必要と思ったか曖昧です。長い修飾があるほど、主語と述語を線で結びます。

指示語

「それ」「このこと」が二つ以上を指せるなら、名詞へ戻します。「この結果」「この提案」のように具体化します。

接続語

接続語を増やしすぎると重くなります。関係が明らかな場所では省き、逆接や結論など誤読しやすい場所へ使います。

一文一中心

一文に主張・理由・例・反対意見を詰め込まず、意味のまとまりで切ります。短くしすぎて関係が途切れたら、主語や接続を補います。

声に出して読む

音読すると、長すぎる文、不自然な繰り返し、主語の欠落に気づきやすくなります。ただし音の自然さだけでなく、設問条件と根拠も別に確認します。

よくある失敗

最初から誤字だけ直す、文章を長くすれば丁寧だと思う、先生だけを読み手にする、難語へ置き換える、接続語を機械的に増やす、という失敗があります。

削ることも推敲です。中心を支えない例や同じ内容の繰り返しを外すと、重要な部分が見えやすくなります。

入試答案の最終確認

書き終わったら、次の順で短時間に確認します。

  1. 設問へ直接答える文があるか。
  2. 指定語句・資料・体験・字数を守ったか。
  3. 主張と根拠が対応しているか。
  4. 対象や因果を本文より広げていないか。
  5. 主語述語、誤字、句読点を確認する。

練習のしかた

同じ下書きを、一回目は構成、二回目は根拠、三回目は文と表記に分けて直します。翌日は別の読み手向けに書き換え、三日後は時間を決めて推敲します。修正理由を余白へ一言書くと、直し方が再現できます。

理解チェック1:誤字修正より先に確認することは?目的・読み手・課題条件、中心主張、段落構成、根拠との対応です。
理解チェック2:読み手に応じるとは、言葉を簡単にするだけ?いいえ。読み手が知っていること、必要とする根拠、心配する条件に合わせて情報を選びます。
理解チェック3:削る推敲が必要なのはなぜ?中心を支えない情報や重複を外すと、文章の目的と重要な根拠が明確になるからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。