原因と結果:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「原因と結果」の出口です。因果のテスト、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の説明文と入試形式の「なぜか」で通して使います。
中心技能は、「なぜか」の設問に、設問の語と字数に合う範囲の原因を、「〜から」の形で答えることです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
因果は、三つの形で出ます。
- 理由の記述:「──線部のようになったのはなぜか。〜字以内で説明せよ」
- 理由の抜き出し:「──線部の原因を本文から抜き出せ」
- 理由の選択:「──線部の理由として最も適切なものを選べ」
記述の文末は「〜から」「〜ため」。設問の「直接」「根本的」と字数で、さかのぼる範囲を決めます。
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日本の多くの地域で、商店街の店が減っている。①郊外に大型店ができ、車で買い物に行く人が増えたためだ。商店街は駐車場が少なく、車での来店に向かない。さらに、店主の高齢化が進み、後を継ぐ人がいない店も多い。
しかし、②一部の商店街は客を取り戻している。空き店舗を若い人に安く貸し、新しい店を呼び込んだからだ。新しい店は若い客を集め、その客が昔からの店にも立ち寄るようになった。
問1
①について、商店街の店が減っている直接の原因を二つ、本文の言葉で答えなさい。
問2
商店街が「車での来店に向かない」のはなぜか。十五字以内で答えなさい。
問3
②について、一部の商店街が客を取り戻した根本的な原因を、三十字以内で答えなさい。
問4
「昔からの店にも立ち寄るようになった」のはなぜか。本文の鎖をたどって説明しなさい。
答えと判断
問1
郊外に大型店ができて車で買い物に行く人が増えたこと。店主の高齢化で後を継ぐ人がいないこと。「ためだ」の前と、「さらに」で加えられた二つ目の原因。
問2
「駐車場が少ないから。」(十字)。同じ文の前半が原因。
問3
「空き店舗を若い人に安く貸し、新しい店を呼び込んだから。」(二十八字)。「からだ」の前が根本の原因。
問4
空き店舗を若い人に貸した → 新しい店ができた → 新しい店が若い客を集めた → その客が昔からの店にも立ち寄った。直接の原因は「新しい店が若い客を集めた」、根本は「空き店舗を若い人に貸した」。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で一つだけ | 原因の一部しか答えない | 関係の取り違えを直す(型④) |
| 問2で「車での来店に向かないから」 | 結果を原因として答えた | 関係の取り違えを直す(型①) |
| 問3で「新しい店が若い客を集めたから」 | 直接の原因で止めた(根本まで行かない) | 関係を矢印で表す(段階3) |
| 問4で「しかし」の前を原因にした | 逆接の後の方向を誤った | 関係の取り違えを直す(型③) |
因果の鎖の表
| 段落 | 鎖 |
|---|---|
| 1 | 大型店+車の利用増 → 商店街に来ない → 店が減る/高齢化 → 後継者なし → 店が減る |
| 2 | 空き店舗を貸す → 新しい店 → 若い客 → 昔の店にも立ち寄る → 客を取り戻す |
表にすると、設問の「直接」「根本」がどこを指すか一目で分かります。
記述の型
| 設問 | 文末 | 範囲 |
|---|---|---|
| なぜか | 〜から。/〜ため。 | 設問の語と字数で |
| 直接の原因 | 〜から。 | 一つ前 |
| 根本的な原因 | 〜から。 | 鎖の最初 |
| 理由を二つ | 〜こと。〜こと。 | 並ぶ原因を全部 |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 結果を正しく決めたか | 設問の──線部 |
| 合図とテストで原因を探したか | ためだ、からだ、さらに |
| 範囲は設問の語に合うか | 直接/根本的 |
| 原因が複数なら全部書いたか | さらに、も |
| 文末は「〜から」か | 「〜こと」で終えていないか |
| 字数内か | 上限の八割以上 |
よくある間違い
「なぜか」に「〜こと」で答える
理由の文末は「〜から」「〜ため」です。
逆接の前の内容を原因にする
「しかし」の後の結果には、「しかし」の後にある原因が対応します。
鎖の途中で止める・行きすぎる
設問の「直接」「根本的」と字数が範囲を決めます。
自分で説明しよう
確認1:「なぜか」の記述の文末
「〜から」「〜ため」。
確認2:直接の原因と根本的な原因の違いと、どちらを答えるかの決め方
直接は一つ前、根本は鎖の最初。設問の語と字数で決める。
確認3:原因が複数あることを示す語
さらに、も、や、〜し、〜く。
セクションの出口
複数段落の文章で因果の鎖を表にし、設問の範囲に合う原因を「〜から」で答えられたら完了です。
次のセクション「事実と意見」では、確かめられる事実と書き手の判断・評価を見分ける方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。