LESSON 01

条件と仮定

条件と仮定:複数段落・入試で統合する

複数段落の論説文で、本文から言えることの選択、条件が成り立つかの判定、反事実からの筆者の気持ちの読み取りを入試形式で解き、条件の関係を本番で使える形にまとめます。

条件と仮定:複数段落・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「条件と仮定」の出口です。見分け方、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、「本文から言えること」を条件の成立で判定し、反事実から筆者の気持ちを読み、条件の裏を選ばないことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

条件と仮定は、三つの形で出ます。

  1. 内容一致:「本文の内容と合うものを選べ」(条件つきの帰結が選択肢に混ざる)
  2. 条件の指摘:「筆者は、どのような場合に〜と述べているか」
  3. 反事実の読み取り:「──線部から読み取れる筆者の考えを答えよ」

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

一般に、生き物は、環境が急に変わると生き残れない。変化が長い時間をかけて進めば、世代を重ねるうちに適応できる。しかし、数十年という短い期間で気温が上がれば、適応は間に合わない。

ある高山の植物は、気温が上がるにつれて、より高い場所へと分布を移してきた。もし山がもっと高ければ、植物はさらに上へ逃げられただろう。だが、山の高さには限りがある。

私たちにできることは、変化の速さを緩めることだ。変化が止められないとしても、速さを緩められれば、適応の時間を稼ぐことができる。

問1

本文の内容と合うものを選びなさい。ア 生き物は環境の変化に必ず適応できる イ 変化が長い時間をかけて進めば適応できる ウ 高山の植物はさらに上へ逃げた エ 変化を止めれば適応の時間を稼げる

問2

筆者は、どのような場合に「適応は間に合わない」と述べているか。

問3

「もし山がもっと高ければ、植物はさらに上へ逃げられただろう」から読み取れる事実を答えなさい。

問4

「変化が止められないとしても、速さを緩められれば、適応の時間を稼ぐことができる」で、帰結が成り立つ条件は何か。

答えと判断

問1

イ。「変化が長い時間をかけて進めば〜適応できる」の条件つきの文と一致。アは「急に変わると生き残れない」に反する。ウは反事実の帰結で、「山の高さには限りがある」から逃げられていない。エは「止められないとしても」が前提で、条件は「速さを緩める」であり「止める」ではない。

問2

数十年という短い期間で気温が上がった場合。「〜上がれば、適応は間に合わない」の条件の側。

問3

山の高さに限りがあり、植物はこれ以上、上へ逃げられない。「もし〜ければ〜だろう」は反事実で、事実は逆。「だが、山の高さには限りがある」で確認できる。

問4

変化の速さを緩められること。「止められないとしても」は譲歩で、条件ではない。「緩められれば」が条件。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でウ 反事実の帰結を事実と見なした 関係の取り違えを直す(型①③)
問1でエ 条件を「止める」と取り違えた 関係を矢印で表す(段階1)
問2で「変化が長い時間をかけて進む場合」 帰結と条件の対応を取り違えた 二つの情報を正しく分ける
問3で「山がもっと高い」 反事実を事実と読んだ 関係の取り違えを直す(型③)

条件の表

条件 帰結 型 成り立つか
環境が急に変わると 生き残れない 規則 一般論
長い時間をかけて進めば 適応できる 規則 一般論
短い期間で気温が上がれば 間に合わない 規則 現状に当てはまる
山がもっと高ければ さらに上へ逃げられた 反事実 成り立たない(限りがある)
速さを緩められれば 時間を稼げる 提案 筆者の主張

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
選択肢の「〜できる」は条件つきか 本文の「〜ば」
反事実の帰結を事実にしていないか だろう、のに
「としても」を条件にしていないか 譲歩
条件と帰結の対応を取り違えていないか どの「ば」のどの帰結か
裏を選んでいないか 〜でなければ〜でない

よくある間違い

「〜できる」の選択肢を条件を外して読む

「適応できる」は「長い時間をかけて進めば」つきです。無条件の「必ず適応できる」は誤り。

「としても」を条件と取り違える

「止められないとしても」は譲歩で、条件は「緩められれば」です。

反事実の帰結を「起きたこと」として選ぶ

「逃げられただろう」は起きていません。「だが」の後で事実が示されます。

自分で説明しよう

確認1:条件の関係を扱う四段階

条件と帰結を切る、型を決める、成り立つかを確かめる、成り立つなら事実に移す。

確認2:「〜としても」と「〜ば」の違い

「としても」は譲歩(それでも)、「ば」は条件。

確認3:反事実から読み取るもの二つ

逆算した事実と、それに対する筆者の気持ち(後悔、不満、願望)。

セクションの出口

複数段落の論説文で、条件つきの帰結を成立で判定し、反事実から事実を逆算し、譲歩と条件を区別できたら完了です。

次のセクション「接続語が示す関係」では、ここまでの関係を接続語から素早く判定する方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:条件と仮定を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「変化が長い時間をかけて進めば、適応できる」とある本文の内容と合うものはどれですか。
  2. 設問 1
    「もし山がもっと高ければ、植物はさらに上へ逃げられただろう。だが、山の高さには限りがある」から読み取れる事実はどれですか。
  3. 設問 2
    「変化が止められないとしても、速さを緩められれば、時間を稼げる」で、帰結の条件はどれですか。
  4. 設問 3
    「〜としても」の役割はどれですか。
  5. 設問 4
    「筆者はどのような場合に『適応は間に合わない』と述べているか」に答えるとき、本文のどこを見ますか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。