LESSON 01

中心となる考えを決めよう

中心となる考えを決めよう 1|目的と材料を分ける

誰に何を伝えるかを決め、使える事実や経験を集める。書き始める前に文章の設計図を作ります。

中心となる考えを決めよう:目的と材料を分ける

このレッスンの位置

いまは「材料を集めて構成する」コースの「中心となる考えを決めよう」です。このレッスンでは、誰に何を伝えるかを決め、使える事実や経験を集めることに集中します。到達点は「集めた材料から最も伝えたい結論を一文にし、不要な情報を見直す。」です。

受け取る力:文章の要旨を捉え、情報の関係や信頼性を見分ける力
中心技能:準備として、目的に合う材料を選び、読み手が追える順序に並べる
次へ渡す力:根拠を添えて書き、読み手に応じて推敲する力

書き始めてから考えると、話が途中でずれやすくなります。書く前に「目的・読み手・問い」を固定し、材料を目に見える形へ出します。よい文章は、難しい言葉より、必要な材料が必要な順に置かれている文章です。

課題を三つに分ける

例として「学校に新しい休み時間の過ごし方を提案する」という課題を考えます。

確認項目 問い この課題での例
目的 読み手にどうしてほしいか 提案を検討してほしい
読み手 何を知り、何を心配するか 生徒会・先生、実現性を重視
条件 字数、資料、文体、期限 400字、資料一つ使用
中心 一文で何を言うか 静かな活動場所を選べるようにする

材料は四種類集める

事実、具体例、理由、反対意見を分けます。頭の中だけで考えず、短い句でカードにします。

  • 事実:現在の休み時間は体育館に人が集中する。
  • 具体例:空き教室で読書会を試した日は十五人が参加した。
  • 理由:活動を選べると、休息の仕方が違う生徒にも合う。
  • 反対意見:見守る先生の負担が増える。
  • 条件付き解決:週一回、参加人数を決めて試す。

材料が多いほどよいわけではありません。中心の一文を支えない材料は、面白くても外します。

中心となる考えを決めようの文章設計図 目的と読み手から材料を集め、分類し、導入・中心・まとめへ配置する流れ 目的・読み手問いを固定 事実・データ 理由・具体例 反対意見 構成メモ導入:問題を示す中心:根拠と提案結び:条件と行動

構成メモを作る

導入

読み手が課題を理解できる事実や問いを置きます。最初から細かな例を出しすぎません。

中心

主張→理由→根拠→説明の順にします。反対意見を扱うなら、相手の心配を正確に示してから条件や解決案を書きます。

まとめ

同じ主張をそのまま繰り返すのではなく、どんな行動を提案するか、どの条件なら実行できるかを示します。

段落 役割 入れる材料 入れない材料
1 問題・目的 現状、問い 詳細なデータ全部
2 主張・理由 中心の考え、理由 関係の薄い経験
3 根拠・具体化 数値、例、説明 新しい主張
4 条件・結論 反対意見への対応、提案 未説明の情報

材料を選ぶ例題

課題は「地域の図書館を中学生が利用しやすくする提案」です。候補は次の五つです。

  1. 自分は推理小説が好きだ。
  2. 平日の閉館時刻は午後六時である。
  3. 部活動後に間に合わない生徒がいる。
  4. 月に二回だけ午後七時まで試行する。
  5. 図書館の建物は三十年前に完成した。

中心が「開館時間を試験的に延長する」なら、2・3・4が直接つながります。1は個人の好み、5は建物の話で、今回の主張を支えません。使わない判断も構成の力です。

よくある失敗

思いついた順に書く

書き手には分かっても、読み手は理由を後から知らされます。材料カードを先に並べます。

立派な言葉で中心がぼやける

「未来のために大切だ」だけでは、何をどうするか不明です。主語・行動・条件を具体化します。

例が主張より長い

例は中心を支えるためにあります。「この例は何を証明するか」を一文で続けます。

反対意見を無視する

実現性を問う文章では、費用・時間・安全などの心配を扱うと説得力が増します。ただし反対意見だけで文章の中心を失わないようにします。

入試作文へのつなぎ方

設問文へ丸を付け、「立場」「資料使用」「体験」「字数」「文体」の条件を一覧にします。五分で材料を出し、三分で構成し、残りで書いて見直す目安を持ちます。

資料がある作文では、数値を写すだけでなく「この数値から何が言えるか」を説明します。体験は一場面へ絞り、主張へ戻します。

練習のしかた

初日は一つの題で材料カードを十枚出します。翌日は同じカードから賛成・反対の二構成を作り、材料の選び方が立場で変わると確認します。三日後は制限時間を設けます。誤りは「目的ずれ」「材料不足」「順序不明」「例の未説明」「条件漏れ」に分類します。

理解チェック1:書く前に固定する三つは?目的、読み手、課題の問いです。字数や資料使用などの条件も確認します。
理解チェック2:面白い材料なら全部使う?使いません。中心の一文を支えるか、読み手に必要かで選びます。
理解チェック3:構成メモの役割は?各段落の役割と材料の順序を決め、途中で話題や主張がずれるのを防ぎます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。