依頼・質問・断り方:不自然な表現を直す
このレッスンの役割
依頼・質問・断りの誤りは、前置きだけで本文がない、依頼が命令に近い、断りが曖昧、丁寧さが相手と負担に合わない、の四つに分けられます。ここでは、それぞれを型に分け、直します。
今回の中心技能は、依頼・質問・断りの不自然な文を見て四つの型のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
(先生に)「先生、あの、推薦書のことなんですけど…。来週までに必要で…。」
前置き(推薦書のことなんですけど)と補い(来週までに必要)はありますが、本文(書いていただけないでしょうか)がありません。先生は「書いてほしい」と察するしかありません。「先生、推薦書のことでお願いがあります。来週までに必要なのですが、書いていただけないでしょうか。」
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 本文がない | 前置きや事情だけで用件を言わない | 推薦書のことなんですけど… | 本文(〜していただけますか)を言う |
| ② 命令に近い依頼 | 目上への大きな依頼に「してください」「お願いします」だけ | 推薦書を書いてください | 〜していただけないでしょうか |
| ③ 曖昧な断り | 断ったことが伝わらない | ちょっと難しいかもしれなくて… | 申し訳ありませんが、できません+代案 |
| ④ 丁寧さの過不足 | 友人に過剰、目上に不足、前置きの重ね | (友人に)拝借できますでしょうか/(先生に)貸して | 相手と負担の二軸で段階を選ぶ |
型①を直す:本文の形
| 用件 | 本文の形 |
|---|---|
| 依頼 | 〜していただけますか/いただけないでしょうか |
| 質問 | 〜でしょうか/教えていただけますか |
| 断り | 〜できません/都合がつきません |
前置きの後に、必ずこの形の一文を置きます。
型②を直す:依頼の段階
| 誤り(目上・大) | 直し |
|---|---|
| 推薦書を書いてください | 推薦書を書いていただけないでしょうか |
| 明日までに見てください | 明日までに見ていただくことはできますでしょうか |
| お願いします(用件なし) | 〜をお願いできますでしょうか |
「〜してください」は、目上でも小さな依頼(プリントをください)なら使えます。負担で決めます。
型③を直す:断りの三部
| 曖昧 | 直し |
|---|---|
| ちょっと難しいかも… | 申し訳ありませんが、その日は都合がつきません。別の日なら可能です。 |
| 考えておきます(断るつもり) | せっかくですが、今回はお引き受けできません。 |
| うーん… | 申し訳ありません。〇〇のため、できません。 |
「考えておきます」を断りに使うと、相手は期待して待ちます。断るなら断ります。
型④を直す:二軸の確認
| 誤り | 相手・負担 | 直し |
|---|---|---|
| (友人に)ノートを拝借できますでしょうか | 友人・小 | ノート貸して |
| (先生に)プリント貸して | 目上・小 | プリントを貸していただけますか |
| お忙しいところ恐れ入りますが、お手数ですが、もしよろしければ、少しだけ… | 前置きの重ね | お忙しいところ恐れ入りますが、〜 |
例題:どの型か
(先輩に)「土曜の手伝い、ちょっと厳しいかもです。」
型③。「申し訳ありませんが、土曜は家の用事で手伝えません。日曜なら手伝えます。」
(面接官に)「質問、いいですか。部活のことなんですけど。」
型①④。本文がなく、丁寧さも不足。「一つお聞きしてもよろしいでしょうか。部活動の見学は、いつ可能でしょうか。」
よくある間違い
事情を詳しく言えば用件が伝わると思う
事情は補いです。本文がなければ相手は察するしかありません。
「お願いします」を言えば依頼になると思う
「何を」が抜けています。「〜をお願いできますでしょうか」。
断りをやわらげるために曖昧にする
曖昧にすると相手の時間を奪います。お詫び+明確な断り+代案が、最もやわらかい断りです。
自分で確かめよう
確認1:「推薦書のことなんですけど…」の誤りの型と直し方
型①(本文がない)。「推薦書を書いていただけないでしょうか」を加える。
確認2:「ちょっと難しいかも」の誤りの型と直し方
型③(曖昧な断り)。「申し訳ありませんが、できません。〇〇なら可能です。」
確認3:友人に「拝借できますでしょうか」の誤りの型
型④(丁寧さの過剰)。「貸して」。
まとめと次の一歩
誤りは、本文がない、命令に近い依頼、曖昧な断り、丁寧さの過不足、の四つに分けられます。本文の形、依頼の段階、断りの三部、二軸の確認、で直せます。
次のレッスンでは、会話・面接・入試形式の問題で、依頼・質問・断りの組み立てを通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。