行為者と受け手を逆にした誤りを直そう
このレッスンの役割と目標
ここまで、受け身の視点と、行為者を書かない理由を学びました。このレッスンでは、意味の役割を取り違えた典型的な誤りを直します。
目標は、英文を日本語の語順だけで直すのではなく、出来事の矢印を描き、意味を保った修正理由を説明できることです。
おすすめの学び方
誤文を見たら、すぐに単語を入れ替えません。まず「現実の出来事では誰が何をしたか」を一行で日本語にし、三役カードを作ります。
修正の四手順
- 現実の出来事を確認する。
- する人・動作・受けるものを決める。
- 文の主役にしたいものを選ぶ。
- 英文がその役割を表しているか照合する。
このセクションでは形の完成より、1〜3を正確にすることを優先します。
例題:絵と英文が合うか
絵では「犬が少年を助けた」とします。英文は The dog was helped by the boy. でした。
英文を役割に戻すと、「少年が犬を助けた」です。絵と逆になっています。少年を主役にしたいなら、意味の骨組みは「The boyは助けられた側、by the dogは助けた側」でなければなりません。
| 確認項目 | 絵の出来事 | 誤った英文の意味 |
|---|---|---|
| するもの | dog | boy |
| 受けるもの | boy | dog |
| 判定 | 犬 → 少年 | 少年 → 犬 |
形が受け身でも意味が正しいとは限らない
be動詞と過去分詞らしい形が並んでいても、行為者と受け手が逆なら正解ではありません。入試の並べ替えや英作文では、形の確認と意味の確認を別々に行います。
日本語の主語省略に注意する
「駅で財布を盗まれた」のような日本語では、被害を受けた人が省略されることがあります。英語にするときは、誰の財布で、誰が被害を受けたのかを文脈から確認します。日本語の単語を左から置くだけでは役割が決まりません。
よくある間違い
誤りを直すために、元の出来事そのものを変えてはいけません。時や場所まで勝手に変えると、別の文になります。
また、byの後ろを「被害を受けた人」と思い込まないでください。基本的な受け身のby句は、動作をした人・ものを示します。
自分で確かめよう
確認1:「Yunaがこの写真を撮った」に対してThis picture was taken by Yuna.の役割は合っていますか。
合っています。Yunaがする人、this pictureが受けるものです。確認2:「風が窓を壊した」のにThe wind was broken by the window.とすると、どんな逆転が起きますか。
英文では窓が風を壊した意味になり、するものと受けるものが逆です。確認3:意味を保って修正する前に、最初に確定する三つは何ですか。
する人・動作・受けるものです。まとめと次の一歩
受け身の誤りは、出来事の矢印へ戻すと発見できます。形だけでなく、誰から誰へ動作が向かうかを必ず照合します。
次は、初めて見る場面で視点を選び、その理由まで説明する到達診断です。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。