一部だけ似た表現を同義とする誤りを直そう
このレッスンの役割と目標
前のレッスンでは、候補を文へ置き換えて中心意味を検査しました。今回は、二つの表現に共通点があっても、同じ意味とは限らないことを学びます。
目標は、「同じ話題」「原因と結果」「全体と一部」を言い換えと混同したときに、対応範囲と置換検査を使って自分で修正できることです。
例でつかむ:同じ文の中にあっても同義とは限らない
次の英文を見ます。
Fresh water was scarce, so its price rose.
scarce と rose は同じ出来事に関係しています。しかし、同じ意味ではありません。
scarce:十分な量がなく、少ない状態its price rose:その結果、価格が上がったこと
少ないことが原因、価格上昇が結果です。日本語で一つの説明につながっても、語義としては別の役割です。
置き換えると誤りが見える
Fresh water was scarce に its price rose を入れると、主語と文法が合いません。無理に日本語で「高価だった」と置き換えても、少ないが必ず高価を意味するわけではなく、中心内容が変わります。
正しい手順は次の通りです。
- 未知語が表す範囲を線で囲む。
- 候補が同じ範囲・同じ役割を説明するか確認する。
- 原因、結果、例、追加情報であれば別の関係として残す。
- 文へ置き換えて中心内容が保たれるか確かめる。
似ている部分と違う役割を分けよう
三つの誤りを診断する
| 誤り | 例 | 直すための問い |
|---|---|---|
| 同じ話題 | bridge と repair はどちらも橋の話 | 同じ内容を述べているか |
| 原因と結果 | scarce と price rose | どちらが原因・結果か |
| 全体と一部 | birds と sparrows | 一方が他方の例ではないか |
入試では、正解選択肢に本文と同じ話題の語を置きながら、関係だけをずらすことがあります。「見たことのある語がある」だけで選ばず、役割を説明できるか確認します。
よくある間違い
英文全体の日本語訳が何となく合うと、近くの語をすべて同義と考えがちです。しかし文には、原因、結果、例、対比など複数の関係があります。
また、誤りに気づいたあと正解訳だけを覚えても、別の英文では使えません。「どの範囲とどの範囲が、どんな関係か」を言葉で説明して修正しましょう。
自分で確かめよう
確認1:scarce と its price rose はなぜ同義ではありませんか。
scarceは水が少ない状態で、価格上昇はその結果だからです。役割と中心内容が違います。確認2:同じ話題の表現なら、言い換えと判定してよいですか。
いいえ。同じ話題でも原因と結果、全体と一部、単なる追加情報などの関係があります。確認3:誤推論を直すとき、正解訳の暗記以外に何をしますか。
対応する範囲と文中の役割を確認し、候補を置き換えて中心意味が保たれるか検査します。まとめと次の一歩
一部の共通点や同じ話題だけでは、同義とはいえません。対応範囲、文の役割、関係、置換結果を調べれば、原因と結果などを言い換えと誤認した理由まで直せます。
次は入試形式の長文で、標識、範囲、指示表現、まとめ文、置換検査を組み合わせます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。