LESSON 01

指示語と代名詞をたどろう

最も近い名詞が指す相手とは限らない

単複、意味、文法役割を使い、最も近い名詞候補が成立するか検査する

最も近い名詞が指す相手とは限らない

このレッスンの役割と目標

前のレッスンでは、文中の役割を使ってthey、them、theirの照応の鎖を分けました。今回は、代名詞の直前にある名詞を自動的に選ばず、単複・文法・意味で候補を検査します。

目標は、最も近い候補が不成立になる理由を説明し、少し離れた正しい対象へ矢印を戻せることです。

例でつかむ:近さは手がかりの一つにすぎない

Sara put the cake in the refrigerator because it was too warm.

it に最も近い名詞は the refrigerator です。しかし「冷蔵庫が暑すぎたので、ケーキを冷蔵庫に入れた」では理由として不自然です。温かすぎたのはcakeだと考えると、冷やす行動と合います。

候補を実際に戻します。

  • the refrigerator was too warm:文法は合うが、行動の理由として弱い
  • the cake was too warm:文法も意味も自然

距離だけでなく、文全体の出来事がつながるかを確認します。

四つの検査を順に使う

検査 問うこと
単複 itと単数、theyと複数が合うか
種類 he/sheと人、itと物・内容が合うか
文法 候補を入れて文が成立するか
意味 動作・理由・段落の流れが自然か

近い候補は最初に試してよいのですが、四つの検査に通らなければ前へ戻ります。

候補を一つずつ文へ戻す

itの二つの候補を文へ戻して意味で判定する図 近いrefrigeratorと遠いcakeをitの位置へ戻し、どちらも単数だがcake was too warmだけが行動理由として自然であることを示す。 the cake単数・食べ物the refrigerator単数・物it cake was too warm冷やす理由として自然refrigerator was too warm文法は合うが文脈に合わない 最も近い名詞ではなく、四つの検査に通る候補を選ぶ

長い文でも役割をそろえる

The teacher gave the students a new schedule after they requested more study time.

theyの直前はscheduleですが単数です。studentsは複数であり、requestする人としても自然です。したがってtheyはstudentsを指します。

単複だけで候補を外せる場合は、意味を深く考える前に処理できます。形で残った候補だけを意味で比べましょう。

よくある間違い

「英語は直前の名詞を受ける」と覚えると、候補検査を省いてしまいます。近さは候補を探す出発点で、決定規則ではありません。

反対に、意味だけで自由に選ぶのも危険です。まず単複・種類・文法で外せないか確認し、最後に文脈を使います。

自分で確かめよう

確認1:cakeの文でitは何を指し、なぜですか。the cakeです。温かすぎるケーキを冷蔵庫へ入れるという動作と理由が自然につながるからです。
確認2:studentsとscheduleの文でtheyがscheduleを指さない理由は何ですか。scheduleは単数で、theyの複数と一致しません。またrequestする主体としても不自然です。
確認3:候補を検査する四つの観点は何ですか。単複、人・物などの種類、文法上の成立、意味と段落の流れです。

まとめと次の一歩

最も近い名詞は候補の一つですが、必ず指示対象になるわけではありません。単複、種類、文法、意味を順に調べます。

次は、thisとthatが一つの名詞を指すのか、前の出来事・考え全体を指すのか見分けます。

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