最も近い名詞が指す相手とは限らない
このレッスンの役割と目標
前のレッスンでは、文中の役割を使ってthey、them、theirの照応の鎖を分けました。今回は、代名詞の直前にある名詞を自動的に選ばず、単複・文法・意味で候補を検査します。
目標は、最も近い候補が不成立になる理由を説明し、少し離れた正しい対象へ矢印を戻せることです。
例でつかむ:近さは手がかりの一つにすぎない
Sara put the cake in the refrigerator because it was too warm.
it に最も近い名詞は the refrigerator です。しかし「冷蔵庫が暑すぎたので、ケーキを冷蔵庫に入れた」では理由として不自然です。温かすぎたのはcakeだと考えると、冷やす行動と合います。
候補を実際に戻します。
- the refrigerator was too warm:文法は合うが、行動の理由として弱い
- the cake was too warm:文法も意味も自然
距離だけでなく、文全体の出来事がつながるかを確認します。
四つの検査を順に使う
| 検査 | 問うこと |
|---|---|
| 単複 | itと単数、theyと複数が合うか |
| 種類 | he/sheと人、itと物・内容が合うか |
| 文法 | 候補を入れて文が成立するか |
| 意味 | 動作・理由・段落の流れが自然か |
近い候補は最初に試してよいのですが、四つの検査に通らなければ前へ戻ります。
候補を一つずつ文へ戻す
長い文でも役割をそろえる
The teacher gave the students a new schedule after they requested more study time.
theyの直前はscheduleですが単数です。studentsは複数であり、requestする人としても自然です。したがってtheyはstudentsを指します。
単複だけで候補を外せる場合は、意味を深く考える前に処理できます。形で残った候補だけを意味で比べましょう。
よくある間違い
「英語は直前の名詞を受ける」と覚えると、候補検査を省いてしまいます。近さは候補を探す出発点で、決定規則ではありません。
反対に、意味だけで自由に選ぶのも危険です。まず単複・種類・文法で外せないか確認し、最後に文脈を使います。
自分で確かめよう
確認1:cakeの文でitは何を指し、なぜですか。
the cakeです。温かすぎるケーキを冷蔵庫へ入れるという動作と理由が自然につながるからです。確認2:studentsとscheduleの文でtheyがscheduleを指さない理由は何ですか。
scheduleは単数で、theyの複数と一致しません。またrequestする主体としても不自然です。確認3:候補を検査する四つの観点は何ですか。
単複、人・物などの種類、文法上の成立、意味と段落の流れです。まとめと次の一歩
最も近い名詞は候補の一つですが、必ず指示対象になるわけではありません。単複、種類、文法、意味を順に調べます。
次は、thisとthatが一つの名詞を指すのか、前の出来事・考え全体を指すのか見分けます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。