題名・図表・注と本文を往復して語義を確かめよう
このレッスンの役割と目標
前のレッスンでは、語の部品と品詞・文型を統合して仮説を作りました。今回は、本文の外側にある題名・見出し・写真・表・グラフ・注を使って、その仮説の範囲を確かめます。
目標は、資料ごとの役割を見分け、本文中の未知語と、数値・場面・条件を往復して確認できることです。
図表は本文の代わりではありません。本文が述べる変化や比較を具体化する証拠です。また、注は語の意味だけでなく、調査条件や対象範囲を限定することがあります。
資料ごとの役割
| 資料 | 先に分かること | 本文へ戻って確かめること |
|---|---|---|
| 題名・見出し | 話題、文章の区切り | 筆者の主張や変化の理由 |
| 写真・イラスト | 人物、物、場所、動作の大分類 | 因果、評価、見えない条件 |
| 表・グラフ | 数量、増減、比較、順位 | 何を測ったか、なぜ変化したか |
| 注 | 語義、固有名詞、調査条件 | 注が本文のどの範囲へ影響するか |
具体例:グラフから本文の語義を確かめる
題名:How Shade Changes a Schoolyard
本文:
After trees were planted, the afternoon temperature near the playground declined. Students also used the area more often during hot months.
グラフ:
| 年 | 午後2時の平均気温 |
|---|---|
| 植樹前 | 36°C |
| 植樹後 | 31°C |
declinedが未知語です。文型ではtemperatureが主語、declinedが動詞です。グラフでは36°Cから31°Cへ変化しています。そのためdeclinedは「下がった・減少した方向」と確かめられます。
ただし、グラフだけでは「木を植えたことだけが必ず原因だ」と証明できません。本文のAfter trees were plantedと題名が関係を示していますが、調査条件も必要です。
往復のしかたを図で確認する
注が意味の範囲を変える例
The survey showed a substantial increase in bicycle use.*
注:*The survey included students who lived within three kilometers of school.
substantialが未知語で、図表が20%から52%への増加を示していれば、「かなり大きな・無視できない増加」と推測できます。
しかし、その結果は全市民ではなく、学校から3キロメートル以内に住む生徒についてです。注を無視すると、「町全体で自転車利用が大きく増えた」と範囲を広げすぎます。
写真から分かること・分からないこと
写真に水筒を持つ生徒が写っていれば、containerやrefillの大分類を予測できます。しかし、写真だけで「その活動がごみを何割減らしたか」「生徒が活動を支持しているか」は分かりません。
写真は場面と物の予測に、数値は増減の確認に、本文は理由と主張の確認に使います。
よくある間違い
一つ目は、グラフの線が下がっただけで、本文のすべての減少語を同じ意味にすることです。縦軸がtemperatureなのかnumber of studentsなのかを確認します。
二つ目は、図表から原因を断定することです。図表は同時期の変化を示しても、原因の説明は本文や調査条件に必要です。
三つ目は、語注だけ読み、本文での役割を見ないことです。日本語の注があっても、その語が主張、例、条件のどこに関わるかを文へ戻して確認します。
自分で確かめよう
確認1:declinedを「下がった」と確かめる二つの証拠は何ですか。
temperatureの変化を表す動詞であることと、グラフが36°Cから31°Cへの減少を示すことです。確認2:substantial increaseの結果を町全体へ広げてはいけないのはなぜですか。
注が調査対象を学校から3キロメートル以内に住む生徒へ限定しているからです。確認3:写真だけでは決められない情報は何ですか。
変化の正確な数値、原因、筆者や参加者の評価などです。それらは本文・図表・注で確かめます。まとめと次の一歩
題名は話題、写真は場面、図表は数量、注は意味や条件を示します。それぞれの役割を選び、本文中の未知語へ戻して、意味方向と対象範囲を確認します。
次は、入試の語義選択問題で、品詞・意味方向・強さと範囲・本文根拠を使って選択肢を比較します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。