近くの手がかりを二つ以上組み合わせよう
このレッスンの役割と目標
ここまで、主語と動詞、動詞と目的語、形容詞と名詞、程度語、前置詞、よく結びつく語を一つずつ手がかりにしてきました。今回は、二つ以上の証拠を組み合わせ、複数の候補から最も自然なものを選びます。
目標は、「この一語があるから」ではなく、「証拠Aと証拠Bの両方に合うから」と推測の理由を説明できることです。
例でつかむ:一つの証拠は候補、二つで検証する
The careful editor scrutinized every sentence before publication.
scrutinized が未知語だとします。
- 主語は
The careful editor:文章を扱う、注意深い編集者です。 - 目的語は
every sentence:全ての文に対して行う動作です。 - 時は
before publication:出版前の確認段階です。
この三つを合わせると、「全ての文を注意深く調べた・詳しく点検した」が自然です。「書いた」だけでは careful と every の丁寧さを十分に説明できません。
候補表で比べよう
| 候補 | 注意深い編集者 | 全ての文 | 出版前 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 詳しく点検した | ○ | ○ | ○ | 最も自然 |
| 忘れた | × | △ | × | 合わない |
| 書いた | △ | ○ | △ | 可能だが証拠が弱い |
候補を証拠ごとに比べると、最初の思いつきだけで決めにくくなります。入試の選択肢問題でも同じ方法を使えます。
証拠が衝突したら候補を保留する
二つの証拠が違う方向を示すなら、無理に一つへ決めません。品詞を取り違えていないか、代名詞の指すものが合っているか、窓を一文分広げる必要がないかを確認します。
確信度は「仮置き・有力・確認に近い」の三段階で記録します。独立した証拠が二つ以上そろえば、有力へ上げられます。
よくある間違い
知っている一語だけに強く引かれると、ほかの証拠と合わない候補を選びます。証拠表にして、各候補が全ての条件へ合うか比べましょう。
また、同じ内容を言い換えただけの証拠を二つと数えないようにします。主語と目的語、語の組み合わせと結果など、違う角度の証拠が望ましいです。
自分で確かめよう
確認1:scrutinized を「詳しく点検した」と考える三つの証拠は何ですか。
注意深い編集者が主語、全ての文が目的語、出版前の動作であることです。確認2:二つの証拠が衝突したらどうしますか。
意味を確定せず、品詞や代名詞を見直し、読む窓を少し広げて新しい証拠を探します。確認3:なぜ一つの証拠だけで決めない方がよいですか。
一つの語には複数の解釈があり、別の証拠と照合しないと最初の連想へ引かれやすいからです。まとめと次の一歩
近くの手がかりは二つ以上組み合わせ、候補がそれぞれの証拠へ合うか表で比べます。証拠が衝突したら確定せず、読み方を見直します。
次は、似たつづりや一語だけの印象から意味を決めつけた誤推測を、複数証拠で直します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。