LESSON 01

入試長文で未知語を攻略する

対比・因果・指示語を段落をまたいでつなごう

複数文・複数段落の対比、原因・結果、指示語の参照先をたどり、未知語の意味方向と筆者の評価を絞る

対比・因果・指示語を段落をまたいでつなごう

このレッスンの役割と目標

前のレッスンでは、未知語の近くにある定義・具体例・言い換えを優先しました。しかし、入試長文では、意味を決める証拠が一文前や次の段落に置かれることがあります。

このレッスンの目標は、対比、原因と結果、指示語の参照先を複数文にわたってたどり、未知語の意味方向と筆者の評価を絞ることです。

一語の正確な日本語訳よりも、「前と同じ方向か反対方向か」「原因か結果か」「何を指しているか」を先に取ります。この関係が分かれば、長い文でも読みの軸を失いません。

三つの関係を見分ける

関係 合図の例 未知語について分かること
対比 but、however、while、unlike、instead 反対方向、評価の変化、二者の違い
因果 because、so、therefore、as a result、lead to 原因側か結果側か、良い・悪い結果
指示 this、that、these、such、it、they 前のどの内容をまとめて受けるか

合図だけで意味を決めるのではありません。合図の左右にある内容を、同じ観点で比べたり、原因と結果へ並べたりします。

具体例:段落をまたぐ対比

For years, the lake appeared healthy because its surface was clear. Yet scientists found fewer insects and fish each season.

This decline was not immediately visible to visitors, but it showed that the lake's ecosystem was fragile.

fragileが未知語です。

最初の段落では、表面はclearで健康そうに見える一方、insects and fishは減っています。次の段落のThis declineは「昆虫と魚が季節ごとに減ったこと」を受けます。butの後で、その減少がlake's ecosystemについて示したことがfragileです。

見た目は健康そうでも、生物が減ると状態を保てない。この対比と因果から、fragileは「弱い・こわれやすい・安定していない方向」と絞れます。

関係を線でつなぐ

対比・因果・指示語を段落をまたいでつなぐ図 湖の表面が透明で健康そうという見た目と、昆虫や魚が減少した事実を対比し、This declineが減少を受け、その結果からfragileを弱く安定していない方向と推測する。 一語の周りではなく、文同士の関係を見る 見た目surface was clear健康そうに見える 観察された変化fewer insects and fish生き物が減っている Yet This decline生き物が減ったことを受ける ecosystem was fragile弱い・安定していない方向 減少が示す結果 参照先 → 論理関係 → 未知語の方向 の順でつなぐ

代名詞は直前の名詞とは限らない

The library extended its opening hours and added a quiet study room. This made it more accessible to students who work after school.

Thisは直前のa quiet study roomだけではなく、「開館時間を延ばし、静かな学習室を加えたこと」全体を受けます。made it more accessibleのitはthe libraryです。

accessibleが未知語でも、after schoolに働く生徒が利用しやすくなった、という結果から「利用しやすい・行きやすい方向」と推測できます。

指示語の参照先は、数や文法だけでなく、後ろの内容と意味がつながるかで確認します。

段落をまたぐ四手順

  1. but、because、Thisなど関係を示す語に印を付ける。
  2. 合図の左右を短い日本語で置く。
  3. 指示語は、直前の名詞、句、文全体の候補を試す。
  4. 未知語を「良い/悪い」「増える/減る」「原因/結果」など広い方向で入れる。

よくある間違い

一つ目は、Thisやitを必ず直前の名詞へ結び付けることです。文全体の出来事を受ける指示語もあります。後ろの動詞と自然につながる候補を選びます。

二つ目は、howeverを見て単語一つだけを反対語にすることです。対比されるのは、語ではなく二つの内容です。lakeの例では「健康そうな見た目」と「生物が減る実態」を比べます。

自分で確かめよう

確認1:fragileを弱い方向と考える三つのつながりは何ですか。生き物が減るという変化、This declineがその変化を受けること、その減少がecosystemについて示した結果、の三つです。
確認2:libraryの例のThisは何を受けますか。開館時間を延ばしたことと、静かな学習室を追加したことを合わせた改善全体です。
確認3:対比の合図を見つけた後、何を比べますか。合図の左右にある二つの内容を、見た目と実態、以前と今、利点と問題など同じ観点で比べます。

まとめと次の一歩

近くに定義がないときは、対比の左右、原因と結果、指示語の参照先を複数文にわたってつなぎます。関係を先に取り、未知語は広い意味方向で置いて文脈へ戻します。

次は、語の部品が示す意味方向と、品詞・文型が示す文中の役割を一つの仮説へ統合します。

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