このレッスンの役割
前のレッスンでは、幕末の政治勢力と争点を整理しました。今回は、危機への二つの代表的な答えである公武合体と尊王攘夷を比べます。
中心技能は、標語を暗記するだけでなく、それぞれが何を守り、どの問題を解こうとしたかを説明することです。
公武合体とは
「公」は朝廷、「武」は幕府を表します。公武合体は、朝廷の権威と幕府の政治力を結び、協力して国難へ対応しようとする考えです。
孝明天皇の妹和宮と将軍徳川家茂の結婚も、その象徴として進められました。
幕府をすぐ倒すのではなく、朝廷の信頼を得て政権を立て直そうとします。
尊王攘夷とは
尊王は天皇の権威を重んじること、攘夷は外国勢力を退けることです。勅許を得ない条約調印への反発から、二つが幕府批判と結びつきました。
ただし、尊王攘夷を唱える人々の目標は同じではありません。
- 幕府に攘夷を実行させたい
- 朝廷中心の政治を強めたい
- 藩の発言力を増やしたい
- 幕府を倒して新政府を作りたい
二つを比べる
| 観点 | 公武合体 | 尊王攘夷 |
|---|---|---|
| 幕府 | 基本的に残して立て直す | 批判対象になることが多い |
| 朝廷 | 幕府と協力 | 政治の中心として重視 |
| 外国 | 条約問題を協力して処理 | 排除を強く主張 |
| 限界 | 相互不信を解けない | 軍事力の差で実行が困難 |
どちらも国の危機へ対応しようとしましたが、方法が異なります。
政治の舞台が京都へ
朝廷の発言力が強まると、京都に各藩の武士や志士が集まりました。誰が朝廷の意思を動かすかをめぐり、政治対立と暴力事件が増えます。
幕府の中心地は江戸でも、国政の重要な決定が京都の朝廷と結びつくようになりました。
よくある間違い
「公武合体は開国派、尊王攘夷は倒幕派」と完全に二分できません。公武合体にも攘夷を求める人がおり、尊王攘夷から後に開国・倒幕へ方針を変える藩もありました。
自分で確かめよう
確認1:公武合体の目的は何ですか
朝廷の権威と幕府の政治力を結び、幕府を立て直して危機へ対応することです。確認2:尊王攘夷が幕府批判へ結びついた理由は何ですか
幕府が勅許なしで条約を結び、外国を退けられないと見られたからです。確認3:二つの考えを完全な開国派・倒幕派に分けられないのはなぜですか
支持者の目的が多様で、情勢により方針も変化したからです。次は、薩摩藩と長州藩が攘夷の実戦から何を学び、軍備と政治方針を変えたかを見ます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。