LESSON 01

日露戦争と国際関係

ポーツマス条約で日本は何を得て、何を得られなかったのか

講和条項と戦争終結時の力関係から、賠償金がなかった理由を考えます。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、日本もロシアも戦争継続が難しくなって講和交渉へ進んだことを学びました。ここでは1905年のポーツマス条約を、獲得したものと得られなかったものに分けます。

主な条項

日本が認めさせたこと 内容
韓国への優越権 日本が韓国への支配を強めることをロシアが認める
旅順・大連の租借権 ロシアから日本へ譲られる
南満州鉄道の権益 長春以南の鉄道と付属権益を得る
南樺太 北緯50度以南を得る
漁業権 ロシア沿岸の一部で認められる

一方、日本は賠償金を得られませんでした。

なぜ賠償金がなかったのか

ロシアは日本本土を攻めておらず、ロシア本国の軍事力も残っていました。日本には戦争をさらに続けて賠償金を強制する余力がありません。

日本:戦費・兵力が限界 ロシア:国内革命で早く終えたいが、全面降伏ではない 仲介国アメリカ:両国が受け入れられる妥協を求める → 賠償金なしの講和

小村寿太郎の交渉

外務大臣小村寿太郎は、日本の限界の中で条約をまとめました。国内では弱腰と批判されましたが、「交渉が下手だったから賠償金を取れなかった」とだけ考えるのは不正確です。軍事・財政上の条件が交渉の幅を決めました。

権益という言葉

権益は、土地そのものを領有する権利だけではありません。鉄道の経営、沿線での活動、港の租借など、経済・政治上の利益を含みます。

南樺太:日本の領土 旅順・大連:清の領土を借りる租借権 南満州鉄道:鉄道と付属する権益

三つを区別します。

確認1:ポーツマス条約で日本が得た領土はどこですか。

北緯50度以南の南樺太です。

確認2:日本が賠償金を得られなかったのはなぜですか。

日本にも戦争を続ける財政・兵力の余裕がなく、ロシアも全面降伏したわけではなかったからです。

確認3:旅順・大連と南樺太の違いは何ですか。

旅順・大連は清の領土を借りる租借権で、南樺太は日本の領土となりました。

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講和条件を知らない国民は強い不満を持ちました。次は日比谷焼打ち事件から、政府・新聞・国民の情報差を考えます。