このレッスンの役割
使節団の大きな目的の一つは不平等条約の改正でした。しかし交渉は実現しません。今回は「欧米が意地悪だった」で終わらず、外交手続きと国内制度の両面から考えます。
何を改正したかったのか
- 領事裁判権をなくし、日本の裁判権を回復する
- 関税率を日本が自主的に決められるようにする
これらは国家主権に関わる問題です。
手続き上の問題
使節団は当初、条約改正の予備交渉を行う予定でした。本格交渉には、政府から正式な全権を示す委任状が必要です。
アメリカで交渉を進めようとした際、必要な権限が足りず、大久保利通と伊藤博文がいったん帰国して委任状を得ようとしました。外交では内容だけでなく、誰がどの権限を持つかが重要です。
欧米側が示した条件
欧米諸国は、外国人を日本の裁判に任せるには、法律・裁判所・刑罰・裁判官などが近代的に整備されている必要があると主張しました。
日本側から見れば、軍事力で押しつけられた不平等条約です。一方、改正を実現する現実的な戦略として、法制度を整え相手の反対理由を減らす必要がありました。
失敗から得たもの
交渉失敗
→ 条約改正には国内制度の改革が必要と認識
→ 憲法・議会・裁判所・法律の整備
→ 近代国家としての国際的承認を目指す
失敗は無意味ではなく、次の改革課題を明確にしました。
相手の基準だけが正しいのか
欧米側は「文明国」の基準を自分たちで決め、アジア諸国を低く扱う面がありました。日本が制度を整えても、外交力や国際情勢がなければ改正は難しい状態です。
制度改革と、力関係・人種的偏見の両方を見ます。
よくある間違い
「使節団は交渉権限を全く持たなかった」「法律を一つ作ればすぐ改正できた」は不正確です。予備交渉から本交渉へ進む権限と、制度全体・外交力が問題でした。
自分で確かめよう
確認1:改正したかった二つの条件は何ですか
領事裁判権と関税自主権です。確認2:交渉手続きで何が問題になりましたか
本格交渉に必要な正式な全権委任が不足していたことです。確認3:交渉失敗は国内改革へどうつながりましたか
法律・裁判・憲法・議会など近代国家の制度整備が必要だと分かったためです。次は、使節団が欧米各国を比べ、何をそのまま真似せず選び取ったかを見ます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。