LESSON 01

自由民権運動

私擬憲法から人々が望んだ権利を読もう

五日市憲法などの私擬憲法を読み、民権派の国家像を考えます。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、政党が国会と憲法を求めたことを学びました。ここでは、政府が憲法をつくるのを待たず、民間の人々が作成した私擬憲法を読みます。

「だれが作ったか」だけでなく、「どんな権利を守ろうとしたか」に注目します。

私擬憲法とは

私擬憲法は、政府ではなく民間の個人や団体が考えた憲法案です。自由民権運動の各地の結社では、将来の国会や国民の権利について学び、自分たちの案を作りました。

東京都あきる野市周辺で発見された五日市憲法草案もその一つです。地域の学習会で政治や憲法を学んだ人々が作成しました。

条文から読み取る視点

私擬憲法の資料では、次の言葉を探します。

資料中の言葉 読み取れる考え
自由、権利 国家が国民の権利を守る
法律によらなければ 権力を法で制限する
議会、代表 国民が政治に参加する
教育、平等 政治参加の土台を広げる

条文を現代語に直したら、「その条文は政府の何を制限し、国民の何を守るのか」と問い直します。

上からの憲法と下からの憲法要求

明治政府も憲法制定を進めていました。しかし政府は、天皇を中心とした秩序を保ち、政府主導で制度を設計しようとしました。

一方、民権派の多くは、国民の権利や議会の力をより強く位置づけようとしました。

民権派の私擬憲法 → 国民の権利や議会を重視 政府の憲法準備 → 国家の統一と君主権を重視

ただし、私擬憲法はすべて同じ内容ではありません。天皇の位置づけや選挙権の範囲も案によって異なります。

入試資料での考え方

資料問題では、条文を丸暗記する必要はありません。

  1. 権利を表す語を囲む
  2. 権力を制限する条件に線を引く
  3. だれが政治に参加できる案か確認する
  4. 大日本帝国憲法との共通点・相違点を考える
確認1:私擬憲法とは何ですか。

政府ではなく、民間の個人や団体が将来の国の仕組みや国民の権利を考えて作った憲法案です。

確認2:五日市憲法から、自由民権運動のどんな広がりが分かりますか。

地方の人々も学習会を通して憲法や権利を学び、自分たちで国家の仕組みを考えていたことが分かります。

確認3:私擬憲法の資料を読むとき、何に注目しますか。

国民の権利、権力を制限する条件、議会や代表、政治参加の範囲に注目します。

次のレッスンへ

民権派の要求が強まる中、政府も国会開設を約束します。次は、明治十四年の政変と国会開設の勅諭を因果関係で結びます。