LESSON 01

欧米のアジア進出

茶と銀の貿易はなぜアヘン取引へ変わったのか

清の茶を求めたイギリスから銀が流出し、インド産アヘンの密貿易で収支を変えようとした構造を理解します。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、工業国が市場・原料・貿易路を求めたことを学びました。今回は、アヘン戦争の前提となる清・イギリス・インドの貿易関係を読みます。

中心技能は、「中国がアヘンを売った」など立場を逆にせず、商品と銀がどちらへ動いたかを説明することです。

おすすめの学び方

三つの地域を三角形に置き、矢印の上に商品名を書いてください。矢印の向きが分かれば、戦争の原因も整理しやすくなります。

イギリスは清の茶を求めた

18世紀、イギリスでは清の茶・絹・陶磁器が人気でした。しかし清は、イギリスの工業製品を同じほど必要としていませんでした。

イギリスが清の商品を買う
→ 支払いの銀が清へ流れる
→ イギリス側は貿易収支を問題にする

ここでの問題は、イギリスが清との貿易で銀を多く支払う側だったことです。

インド産アヘンを清へ

イギリス商人は、支配を広げていたインドで生産したアヘンを清へ密輸し、その代金で得た銀を使って茶などを買う流れを広げました。

移動 主なもの
イギリス側からインドへ 支配・資金・工業製品など
インドから清へ アヘン
清からイギリスへ 茶・絹・陶磁器
清国内 アヘン代として銀が流出

アヘンは依存性の強い薬物です。吸引する人が増え、健康被害だけでなく、銀の流出や社会不安も深刻になりました。

清はなぜ取り締まったのか

清政府はアヘン取引を禁止していました。林則徐は広州でアヘンを没収・処分し、密貿易を厳しく取り締まりました。

イギリス側は商人の財産が失われたと主張しましたが、清側から見れば違法な薬物取引を止め、社会と国家財政を守る行動です。

同じ出来事でも立場により説明が異なります。だからこそ「誰が書いた資料か」を確かめる必要があります。

よくある間違い

「清がイギリスへアヘンを輸出した」「自由貿易なら何を売ってもよい」は誤りです。アヘンはインドから清へ密輸され、清の法律で禁止されていました。

自分で確かめよう

確認1:最初、銀は主にどちらへ流れましたかイギリスが茶などを買う支払いとして、清へ流れました。
確認2:イギリス商人は貿易収支をどう変えましたかインド産アヘンを清へ密輸し、得た銀で清の商品を買いました。
確認3:清がアヘンを取り締まった理由を二つ挙げてください健康・社会への害と、アヘン代による銀の流出などです。

次は、取締りがなぜ戦争へ発展し、軍事力の差がどう表れたかを学びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。