LESSON 01

日露戦争と国際関係

日英同盟はなぜ日本とイギリスの利益を結んだのか

ロシアへの警戒という共通利益から、同盟の仕組みを読み解きます。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、ロシアが満州への駐留を続け、日本が朝鮮への南下を警戒したことを学びました。ここでは1902年の日英同盟が、なぜ両国に必要だったのかを考えます。

両国の共通点

日本とイギリスは別々の理由でロシアを警戒していました。

守りたいもの 同盟の利点
日本 朝鮮・満州での影響力、安全保障 ロシアの同盟国が参戦するのを防ぐ
イギリス 中国での権益、インド方面へのロシア南下の抑制 東アジアで日本の軍事力を利用

共通する相手がいるから同盟したのであり、価値観が完全に同じだったからではありません。

同盟の仕組み

当初の同盟では、一方が一国と戦う場合、他方は中立を守ります。もし複数国と戦う場合は、同盟国が参戦する仕組みでした。

日本がロシア一国と戦う → イギリスは中立 ロシアにフランスなどが加わる → イギリスが日本側で参戦する可能性

これにより、ロシアの同盟国フランスが戦争に加わることを抑える効果が期待されました。

「日本がイギリスに守られた」だけではない

イギリスも日本を必要としていました。当時のイギリスは世界各地に植民地や権益を持ち、すべての地域へ同じだけ軍を置けません。日本との同盟で東アジアのロシアをけん制できました。

同盟は友情ではなく、互いの利益を計算した外交です。

国際的な意味

日英同盟は、日本が欧米列強と対等な形の軍事同盟を結んだ点でも重要です。日本国内では国際的地位が上がったと受け止められ、ロシアとの交渉を支える背景になりました。

確認1:日本とイギリスが共通して警戒した国はどこですか。

ロシアです。

確認2:日英同盟がフランスの参戦を抑えると考えられたのはなぜですか。

ロシアに別の国が加われば、イギリスが日本側で参戦する仕組みだったからです。

確認3:イギリスにとっての同盟の利点は何ですか。

日本の軍事力を利用して東アジアでロシアをけん制し、中国やインド方面の権益を守れることです。

次のレッスンへ

同盟を得ても、日本とロシアの交渉はまとまりませんでした。次は戦争の経過と、勝利の裏にあった限界を学びます。