LESSON 01

近代の教育・文化・生活

近代文学はなぜ人間の内面と社会を描いたのか

言文一致・写実主義・代表作家から、近代の表現の変化を理解します。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、新聞・雑誌が多くの読者を生んだことを学びました。ここでは、近代文学がどんな文章とテーマを生み出したかを考えます。

言文一致

明治初期の書き言葉は、日常の話し言葉と大きく異なることがありました。言文一致運動では、話す言葉に近い形で文章を書く工夫が進みました。

書き言葉と話し言葉の距離を縮める → 心情や会話を自然に描く → 読者が読みやすくなる → 近代小説が広がる

写実主義

坪内逍遥は『小説神髄』で、人間の感情や社会を現実に即して描く小説を論じました。二葉亭四迷の『浮雲』は言文一致体を用いた近代小説として知られます。

作家・人物 作品・特徴
坪内逍遥 『小説神髄』、写実主義を主張
二葉亭四迷 『浮雲』、言文一致体
森鴎外 西洋経験と個人・国家を描く
夏目漱石 『吾輩は猫である』など、近代社会と個人
樋口一葉 『たけくらべ』など、女性や庶民の生活

人物と作品だけでなく、何を描いたかを組み合わせます。

なぜ「個人」がテーマになるのか

身分制度の変化、学校、都市、職業選択、西洋思想の流入によって、人々は家や身分だけでなく「自分はどう生きるか」を考えるようになります。一方、国家や家族の期待との衝突も生まれました。

近代文学は、近代化の明るさだけでなく、孤独、格差、自由と責任などの矛盾を描きました。

文学資料の読み方

文学作品は統計のような客観的記録ではありません。しかし登場人物の言葉、住居、仕事、人間関係から、当時の社会や価値観を読み取れます。

確認1:言文一致とはどのような動きですか。

書き言葉を日常の話し言葉に近づけ、自然で読みやすい文章をつくる動きです。

確認2:坪内逍遥と二葉亭四迷を、それぞれの作品・特徴と結びつけましょう。

坪内逍遥は『小説神髄』で写実主義を論じ、二葉亭四迷は『浮雲』で言文一致体を用いました。

確認3:近代文学が個人の内面を描いた背景は何ですか。

身分・都市・教育・職業など社会が変化し、個人の生き方と国家・家族・社会との関係が問題になったからです。

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文学だけでなく、医学・細菌学・農学などでも日本人研究者が世界的成果を上げます。次は科学の発展を社会課題と結びつけます。