このレッスンの役割
前のレッスンでは、選挙権がごく一部に限られていたことを学びました。それでも衆議院は政府の予算を審議し、政策に影響を与えました。ここでは議会が実際にどのような力を持ったのかを考えます。
政府と民党の主張
政府は、欧米列強に対抗するため軍備を拡張し、国家の力を高めようとしました。一方、自由民権運動の流れをくむ民党は、地租の軽減や政府経費の削減を求めました。
| 政府 | 民党 |
|---|---|
| 軍備拡張を重視 | 民力休養を主張 |
| 政府主導で政治を進める | 衆議院の意見を政策へ反映 |
| 軍事費を含む予算を確保したい | 予算を削減し国民負担を軽くしたい |
民力休養とは、税負担を軽くし、国民の生活と産業を休ませ育てる考えです。
超然主義
政府は、内閣は政党の意向に左右されず、政党の外に立って政治を行うという超然主義を掲げました。しかし予算には帝国議会の協賛が必要です。政府は衆議院を解散することもできましたが、再選挙後も対立が続くことがありました。
政府が政党を無視したい ↕ 議会の協賛なしでは予算・法律を進めにくい → 交渉や妥協が必要になる
議会政治は最初から完成していない
初期議会は対立の連続でしたが、その過程で政党と政府は、議会で交渉する方法を学びました。後には政党が内閣に協力したり、政党を基盤とする内閣が生まれたりします。
「対立した=議会が失敗した」ではありません。対立を公開の場で調整すること自体が議会政治です。
資料問題の手がかり
- 民力休養、地租軽減:民党
- 軍備拡張:政府
- 政党の外に立つ:超然主義
- 予算を削減:衆議院の力
- 衆議院をもう一度選び直す:解散
確認1:民党が掲げた「民力休養」とは何ですか。
税や政府支出を抑えて国民の負担を軽くし、生活や産業を立て直そうとする考えです。
確認2:政府が衆議院を完全に無視できなかったのはなぜですか。
法律や予算を成立させるには帝国議会の協賛が必要だったからです。
確認3:超然主義とはどのような考えですか。
内閣は政党の意向に左右されず、政党の外に立って政治を行うという考えです。
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最後に、大日本帝国憲法と日本国憲法を比べ、近代の立憲政治の到達点と限界をまとめます。