このレッスンの役割
前のレッスンでは天皇大権を整理しました。ここでは、臣民の権利が憲法に書かれた意味と、その限界を同時に考えます。
憲法に書かれた権利
大日本帝国憲法には、身体の自由、住居の不可侵、信教、言論、出版、集会、結社などに関する規定が置かれました。国家の基本法に臣民の権利が書かれたことは、近代国家として重要な前進です。
しかし条文には、「法律ニ定メタル場合」「法律ノ範囲内」といった条件が付いていました。
条件が意味すること
| 読み方 | 意味 |
|---|---|
| 権利が憲法にある | 政府が無条件に何でもできるわけではない |
| 法律の範囲内 | 法律をつくれば権利を制限できる余地がある |
| 臣民としての権利 | 天皇主権の国家の中で認められた権利 |
たとえば言論・集会の自由が書かれていても、新聞紙条例や集会条例などの法律によって制限されました。
権利は「あった」か「なかった」か
二択にしないことが大切です。
誤り:大日本帝国憲法には権利がなかった 誤り:現代と同じ基本的人権が完全に保障された
より正確な説明: 臣民の権利は憲法に明記されたが、法律による制限を受けやすく、天皇から与えられた権利として位置づけられた。
義務との組み合わせ
臣民には、納税や兵役の義務がありました。権利と義務をセットで読み取ると、政府が求めた国民像も見えます。
国家は臣民に一定の権利を認める ↕ 臣民は税を納め、兵役など国家の義務を負う
条文比較の方法
現行の日本国憲法と比べる場合は、次の三点を使います。
- 主権者はだれか
- 権利は生まれながらのものか、与えられたものか
- 権利を制限できる条件は何か
確認1:「法律の範囲内」という表現は何を意味しますか。
権利は認められるが、法律によって制限される余地があることを意味します。
確認2:臣民の権利について、前進と限界を一つずつ答えましょう。
前進は権利が憲法に明記されたこと、限界は法律による制限を受けやすかったことです。
確認3:臣民の主な義務は何ですか。
納税や兵役です。
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権利を持つ臣民の一部は選挙で代表を選びました。次は、帝国議会の二院制とそれぞれの役割を学びます。