このレッスンの役割
条約改正交渉には失敗しましたが、使節団は長期間の視察で多くを学びました。今回は「西洋を見て驚いた」という感想ではなく、比較から政策を選ぶ力を学びます。
おすすめの学び方
国ごとに「産業」「政治」「教育」「軍事」を一行ずつ書き、同じ欧米でも違うことを確認します。
欧米は一つの制度ではない
| 視察の観点 | 気づくこと |
|---|---|
| アメリカ | 広い国土、共和国、産業発展 |
| イギリス | 工業・貿易、議会政治 |
| フランス | 中央集権的行政、都市文化 |
| ドイツ | 統一国家、軍制、教育・法制度 |
各国の制度は歴史と社会条件により異なります。日本が全部を一国から真似するのではなく、分野ごとに参考を選びました。
工場だけでは工業化できない
近代工場の周囲には、鉄道・港・銀行・保険・学校・特許・法律があります。
機械を輸入
+ 技術者を育成
+ 原料と市場を確保
+ 資金を集める制度
+ 契約と所有を守る法律
= 産業が継続する
使節団は、目立つ機械の背後にある社会制度を見ました。
学校と人材
初等教育だけでなく、大学・専門学校・職業教育・女子教育なども調査しました。国家を動かす官僚、技術者、教師、医師を育てる長期的な教育が必要です。
留学生の派遣と、お雇い外国人から日本人へ仕事を引き継ぐ方針にもつながります。
政治制度
議会政治や憲法を視察しましたが、すぐ同じ制度を導入したわけではありません。国民の政治参加を求める自由民権運動が高まる一方、政府は天皇中心の国家制度を段階的に整えます。
視察の経験は、大日本帝国憲法の制度設計にも影響しました。
何を残すか
近代化は西洋化と同じではありません。使節団の課題は、外国の制度を日本の社会へどう適用し、どの文化や仕組みを残すかでした。
選択には成果も誤りもあり、後の歴史で検証する必要があります。
よくある間違い
「欧米はすべて民主主義で同じ制度」「使節団の帰国後、日本は一国の制度を丸ごと導入した」は誤りです。国ごとの違いと分野別の選択を見ます。
自分で確かめよう
確認1:工場以外に産業を支える制度を二つ挙げてください
鉄道、銀行、学校、法律、港、保険などです。確認2:使節団が複数国を視察する意味は何ですか
同じ欧米でも制度が違い、日本が分野ごとに参考を選べるためです。確認3:近代化と西洋化が同じでないのはなぜですか
外国制度を選び、日本の条件へ合わせ、従来の文化と組み合わせる必要があるからです。次は帰国後の政府内対立を、征韓論と「内治優先」の考えから整理します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。