このレッスンの役割
徴兵令は軍、地租改正は税を全国共通にしました。今回は1872年の学制で、教育を全国制度にしようとした理由を学びます。
中心技能は、「学校ができて全員がすぐ通った」と考えず、政府の目標と地域の現実を区別することです。
おすすめの学び方
教育を「子どもの権利」「家庭の負担」「国家の人材育成」の三方向から見ます。
政府が学校を必要とした理由
近代国家には、法令を読み、計算し、技術を学び、役所や産業で働ける人材が必要です。
読み書き・計算
→ 行政文書や商取引を扱える
→ 科学・技術を学べる
→ 産業・軍・政府を担う人材が増える
学校は個人の可能性を広げると同時に、国家が必要とする人材を育てる制度でした。
学制の目標
政府は全国を学区に分け、小学校を広く設置しようとしました。身分や男女を越えて学ぶ理念が示されます。
ただし、当初の制度と現在の義務教育を同じにしてはいけません。学校の数、教員、教科書、施設は地域で不足し、就学率も徐々に上がりました。
なぜ家庭が反対したのか
- 授業料や校舎建設の負担
- 農作業・家業を手伝う子どもが減る
- 学校が遠い
- 新しい教育内容への不安
- 女子教育への偏見
学校を壊すほどの反対が起きた地域もあります。「学ぶのが嫌だった」だけでなく、生活と費用の問題を見ます。
寺子屋との違いと連続
江戸時代にも寺子屋や藩校があり、読み書き・そろばんを学ぶ場がありました。明治政府は何もない所から教育を始めたのではありません。
違いは、地域や身分ごとの学びを、国が全国共通の制度として整えようとした点です。
教育が作る国民意識
共通の教科・暦・地理・歴史・言葉を学ぶことで、地域や藩を越えた「日本国民」としての意識が育てられました。
一方、教育内容を国家が決める力も強まります。何を学ぶかは政治とも関係します。
よくある間違い
「学制前の日本人は誰も読み書きできなかった」「1872年に全児童が無料で就学した」は誤りです。既存の学びと、費用・地域差を確認します。
自分で確かめよう
確認1:政府が学校教育を必要とした理由を二つ挙げてください
行政・産業・軍を担う人材育成と、全国共通の国民意識づくりなどです。確認2:家庭が就学へ反対した生活上の理由は何ですか
授業料・校舎費の負担や、家業を手伝う子どもが減ることなどです。確認3:寺子屋と学制の違いは何ですか
既存の地域的な学びに対し、学制は政府が全国共通の学校制度を作ろうとしました。次は殖産興業で、政府が工場・鉄道・通信へ投資した理由を学びます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。