このレッスンの役割
前のレッスンでは、府県を通して中央政府が全国へ法令を届ける仕組みを学びました。今回は、その法令が人々の身分をどう変えたかを考えます。
中心技能は、「四民平等ですべての差が消えた」と考えず、法制度の変化と社会に残った差別・経済格差を分けることです。
おすすめの学び方
「法律上変わったこと」「生活ですぐには変わらなかったこと」を二列にします。
身分の再編
旧大名・公家などは華族、旧武士は士族、農民・町人など多くの人々は平民とされました。
江戸時代の身分ごとの職業・居住・服装などの制限は改められ、平民も名字を名乗ることが認められます。職業や結婚を選ぶ自由も広がりました。
| 法制度上の変化 | 意味 |
|---|---|
| 平民苗字の許可・義務化 | 全国民を戸籍で把握する |
| 職業選択の自由化 | 身分で職業を固定しない |
| 身分を越える結婚 | 家柄による制限を弱める |
| 移動・居住の自由化 | 土地に固定する仕組みを改める |
自由の拡大と同時に、戸籍などで国家が人々を管理する面も強まりました。
解放令
1871年、政府は、これまで「えた」「ひにん」などとされて差別された人々も、身分・職業を平民と同じとする法令を出しました。一般に解放令と呼ばれます。
法律上の身分差別は廃止されましたが、地域社会の偏見、仕事や結婚での差別、経済的な不利は残りました。
法令を出す
≠ 人々の意識と生活条件が即日変わる
この違いが重要です。
女性の立場
身分制度の制限が変わっても、政治参加や家族制度では男女の不平等が続きました。後の民法や教育でも、性別による役割の違いが強く定められる面があります。
「平等」という言葉が誰までどの範囲で及んだかを確かめます。
なぜ政府は身分を変えたのか
全国民を同じ制度の下に置けば、税・兵役・教育などを身分にかかわらず実施しやすくなります。
権利の拡大だけでなく、全国民が国家の義務を負う仕組みづくりでもありました。
よくある間違い
「華族・士族という名称もなくなり全員同じ呼び名になった」「解放令で差別問題は解決した」は誤りです。法的身分、社会的差別、経済格差を分けます。
自分で確かめよう
確認1:旧武士と農民・町人は主に何と呼ばれましたか
旧武士は士族、農民・町人など多くは平民です。確認2:解放令の成果と限界は何ですか
法的な身分差別を廃止した一方、社会の偏見と生活上の差別は残りました。確認3:政府にとって身分再編が必要だった理由は何ですか
税・兵役・教育など全国共通の制度を人々へ適用するためです。次は、士族の給料・武器・軍事上の特権がなくなる過程と反発を見ます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。