このレッスンの役割
徴兵令・地租改正・学制で、人・税・教育の全国制度を学びました。今回は、その税と人材を使って産業を育てる殖産興業を考えます。
完成の目安は、政府がなぜ民間企業に任せず、工場・鉱山・技術教育へ直接関わったかを説明できることです。
おすすめの学び方
施設名だけを覚えず、「どんな問題の見本を示したか」「技術を誰へ移したか」を確認します。
なぜ工業を育てたのか
工業製品を海外から輸入し続ければ、代金が海外へ流れます。不平等条約で関税を自由に高くできないため、国内産業を関税で十分守ることも難しい状態でした。
政府は輸出品を増やし、機械や軍需品を国内で作る力を育てようとします。
官営模範工場
新しい機械は高価で、使い方を知る技術者も少なく、民間が最初から大工場を作るのは危険でした。
そこで政府が工場を作り、機械・作業法・品質管理の見本を示しました。代表例が1872年に操業した富岡製糸場です。
| 課題 | 政府の対応 |
|---|---|
| 機械が高価 | 官費で輸入 |
| 技術者不足 | お雇い外国人を招く |
| 技能を広げたい | 日本人を訓練 |
| 輸出品質が不安定 | 模範工場で管理法を示す |
富岡製糸場の役割
生糸は重要な輸出品でした。富岡製糸場では、フランス式の機械を導入し、各地から集まった女性工女が製糸技術を学びました。
そこで身につけた技術を出身地へ持ち帰り、各地の製糸業へ広げる役割も期待されました。
工女を「低賃金で働かされた人」とだけ見るのも、「近代化の担い手」とだけ見るのも一面的です。時期・工場によって労働条件は異なります。
お雇い外国人と留学生
政府は外国人技術者・教師を高い給与で招き、鉄道・鉱山・法律・医学などの知識を学びました。同時に日本人留学生を海外へ送り、将来自国の人材で運営することを目指します。
外国人に任せ続けるのではなく、技術を移し自立することが目標でした。
官営から民間へ
多くの官営事業は、後に民間へ払い下げられました。民間企業の成長を助ける一方、特定の政商との結びつきや払い下げ条件が批判されることもあります。
よくある間違い
「殖産興業は農業を捨てて工業だけにした」「富岡製糸場は兵器工場」は誤りです。農産加工や輸出用生糸も、近代産業化の重要な柱でした。
自分で確かめよう
確認1:政府が模範工場を作った理由は何ですか
高価な機械と新技術の導入リスクを負い、民間へ見本と人材を広げるためです。確認2:富岡製糸場が扱った製品は何ですか
輸出の中心品となった生糸です。確認3:お雇い外国人と留学生の共通目的は何ですか
海外の知識・技術を日本へ移し、将来は日本人が運営できるようにすることです。次は鉄道・郵便・電信が、人・物・情報と政府の命令をどう速くしたかを学びます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。