LESSON 01

大日本帝国憲法と帝国議会

最初の衆議院選挙で投票できたのはだれか

性別・年齢・納税額の条件から、制限選挙の意味を数量的に考えます。

このレッスンの役割

前のレッスンでは、帝国議会のうち衆議院が選挙で選ばれたことを学びました。ここでは、「国民が選んだ」という言葉の中身を、選挙資格から確かめます。

1889年の衆議院議員選挙法

最初の衆議院議員選挙で投票できたのは、次の条件を満たす人でした。

  • 男性
  • 満25歳以上
  • 直接国税を一定額以上納める

有権者は人口のおよそ1%にすぎませんでした。女性だけでなく、多くの男性にも選挙権がありませんでした。

なぜ納税額の条件があったのか

当時は、多くの財産を持ち多くの税を納める人ほど、政治を判断する能力や国家への利害があると考えられていました。現在から見れば不平等ですが、政府は急に広い選挙権を認めることを警戒していました。

制限 除外された人
男性のみ すべての女性
25歳以上 若い男性
納税額 貧しい人や納税額の少ない人

三つの条件を別々に確認しましょう。

「選挙がある=民主主義完成」ではない

選挙と議会が始まったことは政治参加の大きな前進です。しかし参加できた範囲は非常に狭く、普通選挙への道はまだ長く続きます。

前進:選挙で衆議院議員を選ぶ制度が始まった 限界:性別・年齢・納税額で投票者が制限された

選挙権拡大の見通し

のちに納税資格は段階的に緩和され、1925年には25歳以上のすべての男性に普通選挙権が認められました。女性が国政選挙で投票できるようになるのは第二次世界大戦後です。

今は年号を先取りして丸暗記するより、「制限が少しずつ外れていく」という方向をつかみます。

確認1:最初の衆議院選挙の三つの主な資格は何ですか。

男性、満25歳以上、直接国税を一定額以上納めることです。

確認2:有権者は人口のおよそ何%でしたか。

およそ1%です。

確認3:最初の選挙を「前進と限界」で説明しましょう。

選挙で代表を選べるようになった点は前進ですが、性別・年齢・納税額で参加者がごく一部に限られた点が限界です。

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限られた選挙でも、選ばれた議員は予算をめぐって政府と対立しました。次は初期議会の攻防を追います。