このレッスンの役割
前のレッスンでは、交通網が軽工業と全国市場を結んだことを学びました。ここでは、日清戦争後に鉄鋼・造船・機械などの重工業が成長した理由を考えます。
鉄は産業の土台
鉄鋼は、鉄道のレール、橋、船、機械、兵器などに使われます。重工業化には大量で安定した鉄鋼供給が必要です。
製鉄 → レール・船・機械 → 交通と工場が成長 → 鉄鋼需要がさらに増える
官営八幡製鉄所
政府は日清戦争の賠償金などを使い、福岡県に官営八幡製鉄所を建設しました。1901年に操業を始めます。
八幡が選ばれた主な条件:
- 筑豊炭田に近く、燃料の石炭を得やすい
- 港があり、原料と製品を運びやすい
- 中国から鉄鉱石を輸入しやすい
- 軍需や鉄道用の鉄鋼需要が増えていた
立地問題では「原料・燃料・交通・市場」の四点で考えます。
戦争と重工業
日清・日露戦争は、軍艦、武器、鉄道、通信の需要を増やしました。政府は軍備を整えるため重工業を保護しました。
戦争 → 鉄鋼・造船・機械の需要 → 政府投資 → 重工業が発達 → より大規模な戦争を支える力
産業化と軍事化が互いを強める関係です。
軽工業とのつながり
重工業は軽工業と別世界ではありません。生糸などの輸出で得た外貨が、海外の機械や鉄鉱石を買う資金になりました。
軽工業の輸出 → 外貨 → 機械・原料の輸入 → 重工業化
確認1:八幡製鉄所が福岡県に置かれた条件を二つ答えましょう。
筑豊炭田に近いこと、港を通じて原料を輸入・製品を輸送しやすいことなどです。
確認2:日清戦争の賠償金は重工業化にどう使われましたか。
官営八幡製鉄所の建設など、鉄鋼と軍備の基盤整備に使われました。
確認3:軽工業の輸出と重工業化はどうつながりますか。
軽工業品の輸出で得た外貨を、重工業に必要な機械や原料の輸入に使えたからです。
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産業が大規模になると、銀行・商社・鉱山・工場をまとめて経営する財閥が成長します。次は資本が集中する仕組みを学びます。