このレッスンの役割
アメリカ独立革命では、人民の同意と権利の理念を学びました。今回は、その影響も受けたフランスで、身分制そのものを揺るがした革命の出発点を考えます。
完成の目安は、革命の原因を一つに決めつけず、社会・財政・思想の三つをつないで説明し、人権宣言が何を変えようとしたかを言えることです。
おすすめの学び方
出来事を暗記する前に、「長く続いた背景」「直接のきっかけ」「革命後の変化」を分けてください。
革命前の社会はどうなっていたか
革命前のフランス社会は、旧体制(アンシャン・レジーム)と呼ばれます。
| 身分 | 主な人々 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第一身分 | 聖職者 | 特権をもち、税負担が軽い |
| 第二身分 | 貴族 | 特権をもち、税負担が軽い |
| 第三身分 | 平民 | 人口の大部分。農民・都市民・商工業者など多様 |
第三身分には裕福な商工業者もいましたが、政治上は特権身分より不利でした。農民や都市の民衆は税や物価上昇に苦しみました。
原因は三つをつなぐ
- 社会:身分による特権と不平等があった
- 財政:戦争や宮廷費で国の財政が悪化した
- 思想:自由・平等、人民主権などの啓蒙思想が広がった
凶作によるパン価格の上昇も、人々の不満を強めました。
「パンが高くなったから革命が起きた」だけでは不十分です。身分差や財政危機が続くところへ、生活危機が直接のきっかけを加えたのです。
三部会から国民議会へ
国王ルイ16世は課税問題を解決するため、1789年に三部会を開きました。しかし、身分ごとに一票なら、第一・第二身分が協力して第三身分を抑えられます。
第三身分の代表は、自分たちこそ国民を代表するとして国民議会をつくりました。政治の正当性を「王の権利」ではなく「国民の意思」に置こうとした動きです。
同じ年、パリの民衆はバスチーユ牢獄を襲撃しました。革命が議会の議論だけでなく、民衆の行動によって進んだことを示します。
人権宣言が示したもの
人権宣言は、人は自由で権利において平等であること、主権は国民にあること、言論や信教などの自由、法の前の平等などを示しました。
身分によって権利が決まる社会から、個人が権利をもつ社会へ進む原則です。
理念と現実のずれ
宣言の「人」は普遍的に見えますが、女性の政治参加は認められず、植民地の奴隷制もすぐには解消しませんでした。オランプ・ド・グージュは女性にも同じ権利を求めました。
理念が重要でないのではありません。理念が示されたからこそ、「なぜ自分たちは除かれるのか」という要求が広がりました。
よくある間違い
「第三身分は貧しい農民だけ」「人権宣言で直ちに男女普通選挙が実現した」は誤りです。第三身分の多様さと、理念が制度へ届くまでの時間差を見ます。
自分で確かめよう
確認1:革命の原因を三つの面から説明してください
身分制の不平等、国家の財政危機、自由・平等を求める啓蒙思想です。確認2:国民議会の成立は、政治の根拠をどう変えようとしましたか
王や身分の特権ではなく、国民の意思を政治の根拠にしようとしました。確認3:人権宣言の理念と現実のずれは何ですか
自由と平等を掲げながら、女性や植民地の奴隷などは十分な権利から除かれました。次は、革命がなぜ共和政・恐怖政治・ナポレオンへ進んだかを追います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。