LESSON 01

モーターが回る仕組み

コイルの両側が逆向きに動く現象をつかもう

コイル両側の反対向きの力が回転を生み、電気エネルギーが運動へ変わる出発点を理解する。

コイルの両側が逆向きに動く現象をつかもう

電池につないだコイルを磁石の間に置くと、コイルは回り始めます。このレッスンでは、まだ部品の細かな仕組みを暗記しません。まず「コイルの左右が反対向きに押され、その組合せが回転を生む」という現象の中心をつかみます。

このレッスンの役割

「電流・磁界・力の向き」で学んだ規則を、実際の装置へつなぐ第1段階です。ここで回転の原因を予想できるようにし、次のレッスンへ安全な観察方法を渡します。

知る:モーターの中では何が起きているか

モーターは、電気エネルギーを主に運動エネルギーへ変える装置です。基本部品は、電流が流れるコイル、磁界をつくる磁石、電源、回転軸です。

磁石の間に置かれたコイルに働く力左側の導線には上向き、右側の導線には下向きの力が働き、コイルが回転するNS磁界力:上力:下回転

コイルの左側と右側では、電流の向きが反対です。同じ磁界の中でも、電流が反対なら受ける力も反対になります。一方が上、もう一方が下へ押されるため、コイル全体が回転しようとします。

理解する:反対向きの二つの力が回転をつくる

両側の力は反対向きですが、同じ場所には働いていません。左側を上へ、右側を下へ押すと、物体をその場で止めるのではなく、ひねる作用が生まれます。両手で定規の左右を反対向きに押すと回るのと同じです。

磁石だけではコイルは回り続けません。必要なのは「磁界の中を流れる電流」です。電流と磁界がそろって初めて、導線に力が働きます。

例で使い、よくある誤答を直そう

説明は、①磁石が磁界をつくる、②コイルに電流が流れる、③左右の導線に反対向きの力が働く、④二つの力がコイルを回す、の順にします。「電気で回る」だけで終えず、途中の因果を言葉にすることが大切です。

扇風機では、電気エネルギーがモーターの回転へ変わり、羽根が空気を動かします。ただし、すべてが運動になるわけではなく、一部は抵抗による熱や振動による音になります。

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:コイルの左右が反対向きの力を受けるのはなぜですか?左右の導線では電流の向きが反対で、同じ磁界中では受ける力も反対になるからです。
確認2:反対向きの力なのに、なぜ打ち消し合わないのですか?二つの力が離れた場所に働き、コイルをひねる作用をつくるからです。
確認3:モーターではどんなエネルギー変換が起こりますか?電気エネルギーが主に運動エネルギーへ変わり、一部は熱や音にもなります。

回転の出発点は、磁界中のコイル両側に働く反対向きの力です。次は、簡易モーターを安全に観察し、どの条件を変えると回転が変わるか確かめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。