物体を動かすと像が変わる現象から問いをつくろう
このレッスンの役割
前のセクションでは、凸レンズを通る代表的な光の進み方を学びました。このレッスンでは、その知識を使い始める前に、物体を動かすと像がどう変わるのかを丁寧に観察します。
ここでの目標は、規則を先に暗記することではありません。「何を変えたら、何が変わったのか」を言葉にして、これから調べる問いをつくることです。
知る・理解する
ろうそく、凸レンズ、白いスクリーンを一直線に並べ、スクリーンを前後に動かすと、ろうそくの像がはっきり映る場所があります。次に、ろうそくだけをレンズへ近づけ、もう一度スクリーンの位置を探します。
すると、次の三つが同時に変わることがあります。
- 像ができる位置
- 像の向き
- 像の大きさ
「焦点は決まった場所なのに、像の位置はなぜ動くのだろう」と疑問を持てたら大切な一歩です。焦点はレンズの性質で決まる基準点であり、像がいつもできる場所ではありません。物体から出た光がレンズの後でどこに集まるかは、物体とレンズの距離によって変わります。
具体例で使う
最初は物体をレンズから十分遠くに置きました。スクリーンには、小さく逆さまの像がレンズに比較的近い場所で映りました。物体をレンズへ少し近づけると、はっきり映るスクリーンの位置は遠くなり、像は大きくなりました。
この観察から、次の問いが生まれます。
- 物体を近づけるほど、像はいつまでも遠く、大きくなるのか。
- 物体が焦点に来たとき、スクリーンの像はどうなるのか。
- 物体が焦点より内側に来たとき、目には何も見えなくなるのか。
良い問いには、変えるものと調べるものが入っています。今回、意図的に変えるのは物体とレンズの距離です。調べるのは像の位置・向き・大きさ、そしてスクリーンに映るかどうかです。
誤答を直して次の学びへつなげる
「焦点に光が集まるから、像はいつも焦点にできる」という考えは不十分です。平行に入る光は焦点に集まりますが、近くの物体から出る光はレンズへ平行に入りません。したがって、光が交わる場所も変わります。
また、スクリーンに映らないことだけで「像がない」と決めてはいけません。目でレンズをのぞくと見える像もあります。次のレッスンでは、成功した場合だけでなく、映らなかった場合も含めて実験表に記録します。
自分で確かめよう
確認1:この実験で意図的に変えるものは何ですか。
物体と凸レンズの距離です。レンズを替えたり、物体とレンズを同時に動かしたりすると、一つの条件の影響を比べにくくなります。確認2:「像はいつも焦点にできる」はなぜ誤りですか。
焦点は平行に入った光が集まる基準点です。近くの物体から広がって入る光が交わる場所は、物体距離によって変わるからです。確認3:スクリーンに像が映らなかったとき、次に何を調べますか。
スクリーン位置を十分変えたかを確かめたうえで、物体が焦点上または焦点内にないか、レンズを通して目で見える像がないかを調べます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。