LESSON 01

全反射と光の利用

未知の装置で全反射の成立と利用目的を判断しよう

プリズム・水流・光ファイバーなどで全反射の二条件を確かめ、装置の利用目的を光路から説明する。

未知の装置で全反射の成立と利用目的を判断しよう

このレッスンの役割

「全反射と光の利用」セクションの最終レッスンです。ここまでに、全反射の現象、実験、臨界角、データと作図、光ファイバーを学びました。今回は初めて見る装置でも、全反射と呼べるかを証拠から判断します。

今日の到達点は、物質の進む順序と臨界角との比較を確認し、装置が光の向きを変えるのか、閉じ込めて運ぶのかまで説明することです。

知る・理解する

「光が反射している」だけでは全反射とはいえません。次の順で確認します。

  1. 光は水・ガラスなどの内部側から、空気などの側へ向かっているか。
  2. 入射角は法線から測られているか。
  3. 入射角は、その物質の組合せの臨界角より大きいか。
  4. 屈折光がなく、反射光だけになっているか。

全反射を判定して利用目的へ結ぶ物質の順序、臨界角、屈折光の有無を確認し、光の向きを変えるか運ぶかを判断する物質の順序内部側→外側臨界角と比較入射角が大きい屈折光なし反射光だけ利用目的曲げる・運ぶ四つの証拠がそろって初めて「全反射」普通の鏡の反射、屈折、全反射を名前だけで混同しない

プリズムは、ガラス内部の面で全反射させ、鏡を使わずに光の向きを大きく変えることがあります。双眼鏡などでは、光路を折りたたみ、像の向きを整えるために使われます。光ファイバーは同じ全反射を何度も繰り返し、光を遠くへ運びます。

具体例で使う

ある透明物質Aから空気への臨界角が40°で、内部の光が境界へ50°で入射したとします。物質の順序を満たし、50°>40°なので全反射します。反射角は50°です。

同じ物質へ空気側から50°で光を入れた場合は全反射ではありません。空気から物質Aへ屈折して入ります。角度の数値が同じでも、進む順序が違えば結論が変わります。

水流に沿って光が進む実験なら、水と空気の境界で全反射が繰り返され、光が水流の内部から漏れにくいと説明できます。装置名を知らなくても、光路と条件から判断できます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「鏡で光が全部反射したから全反射」は用語の誤りです。全反射は、異なる透明物質の境界で、本来なら屈折して出る光が条件によってすべて反射する現象です。鏡面での普通の反射とは成立条件が違います。

次の「凸レンズの焦点と光の進み方」では、二つの曲面で起こる屈折をまとめて、光が一点へ集まる仕組みを学びます。物質の境界で光路を追う力をそのまま使います。

自分で確かめよう

確認1:臨界角38°のガラスから空気へ45°で入る光はどうなる?ガラス側から空気側へ進み、45°>38°なので全反射します。反射角は45°です。
確認2:空気から同じガラスへ45°で入る光を全反射と呼べる?呼べません。物質の進む順序が条件と逆で、光はガラス側へ屈折します。
確認3:プリズムと光ファイバーの利用目的の違いは?プリズムは少ない回数の全反射で光の向きや光路を変え、光ファイバーは全反射を繰り返して光を細い経路で運びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。