未知の装置で全反射の成立と利用目的を判断しよう
このレッスンの役割
「全反射と光の利用」セクションの最終レッスンです。ここまでに、全反射の現象、実験、臨界角、データと作図、光ファイバーを学びました。今回は初めて見る装置でも、全反射と呼べるかを証拠から判断します。
今日の到達点は、物質の進む順序と臨界角との比較を確認し、装置が光の向きを変えるのか、閉じ込めて運ぶのかまで説明することです。
知る・理解する
「光が反射している」だけでは全反射とはいえません。次の順で確認します。
- 光は水・ガラスなどの内部側から、空気などの側へ向かっているか。
- 入射角は法線から測られているか。
- 入射角は、その物質の組合せの臨界角より大きいか。
- 屈折光がなく、反射光だけになっているか。
プリズムは、ガラス内部の面で全反射させ、鏡を使わずに光の向きを大きく変えることがあります。双眼鏡などでは、光路を折りたたみ、像の向きを整えるために使われます。光ファイバーは同じ全反射を何度も繰り返し、光を遠くへ運びます。
具体例で使う
ある透明物質Aから空気への臨界角が40°で、内部の光が境界へ50°で入射したとします。物質の順序を満たし、50°>40°なので全反射します。反射角は50°です。
同じ物質へ空気側から50°で光を入れた場合は全反射ではありません。空気から物質Aへ屈折して入ります。角度の数値が同じでも、進む順序が違えば結論が変わります。
水流に沿って光が進む実験なら、水と空気の境界で全反射が繰り返され、光が水流の内部から漏れにくいと説明できます。装置名を知らなくても、光路と条件から判断できます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「鏡で光が全部反射したから全反射」は用語の誤りです。全反射は、異なる透明物質の境界で、本来なら屈折して出る光が条件によってすべて反射する現象です。鏡面での普通の反射とは成立条件が違います。
次の「凸レンズの焦点と光の進み方」では、二つの曲面で起こる屈折をまとめて、光が一点へ集まる仕組みを学びます。物質の境界で光路を追う力をそのまま使います。
自分で確かめよう
確認1:臨界角38°のガラスから空気へ45°で入る光はどうなる?
ガラス側から空気側へ進み、45°>38°なので全反射します。反射角は45°です。確認2:空気から同じガラスへ45°で入る光を全反射と呼べる?
呼べません。物質の進む順序が条件と逆で、光はガラス側へ屈折します。確認3:プリズムと光ファイバーの利用目的の違いは?
プリズムは少ない回数の全反射で光の向きや光路を変え、光ファイバーは全反射を繰り返して光を細い経路で運びます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。