未知の物体位置から実像・虚像の性質を判断しよう
このレッスンの役割
このセクションの仕上げです。未知の焦点距離と物体距離を受け取り、像の位置・向き・大きさ・種類・スクリーン投影の可否を、根拠とともに判断します。次の「レンズの作図と身近な機器」で、カメラや虫眼鏡の仕組みを考えるための土台になります。
知る・理解する
問題を解くときは、結論を思い出す前に次の順番を使います。
- 焦点距離をfとし、2fも求める。
- 物体距離をf、2fと比べて範囲を決める。
- 平行光線とレンズ中心を通る光線を描く。
- 実線が実際に交わるか、後方延長線が交わるかを確かめる。
- 像の位置、正立・倒立、大小、実像・虚像、スクリーン投影を答える。
表を思い出せないときでも、範囲と作図ができれば答えをつくれます。反対に、表だけ覚えていると、図の向きが変わった問題や、焦点距離が変わった問題で迷いやすくなります。
具体例で使う
焦点距離15 cm、物体距離24 cmの凸レンズを考えます。2fは30 cmなので、15 < 24 < 30です。物体はFと2Fの間にあります。代表光線は反対側の2Fより外で実際に交わるため、倒立・拡大の実像ができ、スクリーンに映せます。
次に同じレンズで物体距離を12 cmにします。12 < 15なので焦点内です。レンズ通過後の光は広がり、後方延長線が物体側で交わります。したがって正立・拡大の虚像が見えますが、スクリーンには映せません。
入試問題で「スクリーンを置いたが、どこへ動かしても像が映らない」とあっても、すぐ実験失敗とは決めません。物体距離がf以下か、装置の中心がずれているかを、条件と作図から区別します。
誤答を直して次の学びへつなげる
焦点と像の位置を同じものとして扱わないでください。焦点は代表光線の進み方を決める基準で、像は複数の光線またはその延長線が交わる場所です。
また、虚像を実線の交点として描くのは誤りです。レンズを通った後の実際の光は広がるので実線で描き、その後方延長だけを破線にします。
この判断ができれば、次のセクションで「カメラはなぜスクリーンに相当する面へ実像をつくるのか」「虫眼鏡はなぜ物体を焦点内に置くのか」を、機器名の暗記ではなく説明できます。
自分で確かめよう
確認1:焦点距離12 cm、物体距離30 cmの像を判断してください。
2fは24 cmで、物体は2Fより外側です。反対側のFと2Fの間に、倒立・縮小の実像ができ、スクリーンに映せます。確認2:虚像をスクリーンに映せない理由は何ですか。
見える位置に光が実際に集まっておらず、広がる光の後方延長線が交わるように目が判断している像だからです。確認3:焦点距離が分からない未知のレンズで、正立拡大像が見えました。物体位置について何が言えますか。
凸レンズだと分かっているなら、物体は焦点より内側にあります。スクリーンには映らない虚像です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。