表面の小さな法線を描いて乱反射を説明しよう
このレッスンの役割
「乱反射と平面鏡の像」セクションの第2段階です。前のレッスンでは、紙からの反射光が多方向の目へ届くため、紙をいろいろな位置から見られると確認しました。今回は「多方向へ反射するのに、反射の法則は成り立つのか」という疑問を、表面を拡大したモデルで解きます。
今日完成させる力は、粗い面のそれぞれの場所に法線を引き、各場所では入射角と反射角が等しいと説明することです。
知る・理解する
紙の表面は、肉眼では平らに見えても、拡大すると向きの異なる小さな面が集まっています。法線は、その光が当たった小さな面に垂直な線です。小さな面の向きが違えば、法線の向きも違います。
同じ向きの光が一斉に当たっても、各点の法線が違うので、反射光は違う向きへ進みます。しかし、一つ一つの点で調べれば、入射角=反射角です。乱反射は「反射の法則が壊れた反射」ではなく、「向きの異なる小さな面で、同じ法則がそれぞれ働いた結果」です。
図で確かめる手順は三つです。
- 光が当たった点のすぐ近くで、小さな面の向きを読む。
- その小さな面に垂直な法線を引く。
- 法線の反対側へ、入射角と等しい反射角を取る。
具体例で使う
磨いた金属は小さな面の向きがよくそろうため、反射光もそろい、周囲の像が見えます。同じ金属でも表面を紙やすりで削ると、小さな面の向きがばらばらになり、像はぼやけます。物質が金属から別のものへ変わったのではなく、表面のそろい方が変わったのです。
夜道の標識は、ただ乱反射するだけでなく、光を来た向き近くへ戻す再帰反射を利用するものもあります。反射光の広がり方を設計すると、「どこから見やすいか」を変えられます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「乱反射では反射角が毎回ばらばらだから、入射角=反射角ではない」は、基準にする法線を一本に固定した誤りです。表面全体への垂線ではなく、光が当たった小さな面ごとの法線を使います。
次のレッスンでは、向きがそろった平面鏡の反射光を目まで追い、鏡の裏に像が見える理由を調べます。
自分で確かめよう
確認1:乱反射でも反射の法則が成り立つといえるのはなぜ?
向きの異なる小さな面ごとに法線を引くと、どの点でも入射角と反射角が等しいからです。確認2:紙の表面全体に一本だけ法線を引くと何が困る?
光が当たる小さな面ごとの傾きを表せず、反射光の向きが違う理由を説明できません。確認3:磨いた金属を削ると像がぼやける理由は?
表面の小さな面の向きがそろわなくなり、反射光が多くの向きへ分かれるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。