物体距離と像の変化を表と作図でつなげよう
このレッスンの役割
ここまでに、実験で結果を集め、代表光線で実像と虚像を説明しました。このレッスンでは、測定結果の表をFと2Fを基準に分類し、数値の並びを光の進み方で説明します。
知る・理解する
同じ凸レンズでは焦点距離 f は一定です。そこで、物体距離を単独の数字として見るのではなく、fや2fと比べます。これにより、焦点距離の異なるレンズでも同じ規則を使えます。
例として焦点距離10 cmの結果を整理します。
| 物体距離 | 基準との関係 | 像の観察 | 説明に使う範囲 |
|---|---|---|---|
| 30 cm | 2fより外 | 倒立・小さい実像 | 2Fより外 |
| 20 cm | 2f | 倒立・同じ大きさの実像 | 2F |
| 15 cm | fと2fの間 | 倒立・大きい実像 | Fと2Fの間 |
| 10 cm | f | スクリーン像なし | 焦点上 |
| 6 cm | fより内 | 正立・大きい虚像 | 焦点内 |
物体が焦点の外側から焦点へ近づくと、レンズに入る光の広がり方が大きくなります。レンズ通過後の二本の光が交わるには、より遠くまで進む必要があります。そのため実像は遠ざかります。交点が光軸から離れるので、像も大きくなります。
具体例で使う
焦点距離12 cmのレンズで、物体距離が18 cmなら、12 < 18 < 24なので物体はFと2Fの間です。したがって、反対側の2Fより外に倒立拡大実像ができます。
物体距離を9 cmにした場合は、先ほどの「近づくほど実像が遠ざかる」という規則をそのまま延長できません。9 < 12なので焦点内へ入り、実像から正立拡大虚像へ種類が切り替わるからです。
誤答を直して次の学びへつなげる
「物体を近づけるほど像は大きくなる」だけでは範囲が抜けています。正しくは、物体が焦点の外側で焦点へ近づく間、実像は遠ざかって大きくなります。焦点上では有限の位置に像を結ばず、焦点内では虚像になります。
表を答えとして暗記するのではなく、まず物体距離をfと2fに比べ、必要なら二本の代表光線を描きます。次のレッスンでは、この判断手順を未知の条件に使います。
自分で確かめよう
確認1:物体距離をfと2fに比べる利点は何ですか。
焦点距離の異なるレンズでも、物体がどの範囲にあるかを同じ規則で分類できることです。確認2:焦点距離10 cm、物体距離12 cmなら像はどうなりますか。
物体はFと2Fの間にあるので、反対側の2Fより外に倒立拡大実像ができます。確認3:「物体を近づければ実像はいつまでも大きくなる」の誤りを直してください。
その規則は物体が焦点より外側にある間だけです。焦点上では有限位置に像を結ばず、焦点内では正立拡大虚像へ変わります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。