乗り物と球の初見場面で慣性を使おう
急発進する電車、急停止するバス、飛んでいく球。入試で見慣れない場面が出ても、見る物体を決め、初めの運動状態と合力を分ければ説明できます。
このレッスンの役割
「力と運動・慣性」の仕上げです。日常場面の見かけに惑わされず、観察者と物体、速度と合力を整理して説明します。
前から受け取る力:物体・速度・力・合力を分けて誤答を直す力
今回完成させる力:乗り物や球の初見場面を慣性と合力で説明する力
次へ渡す力:次節で斜面や落下運動の速さ変化を力と結ぶ力
知る:初見場面は四段階で整理する
- 調べる物体を一つ決める。
- 変化前の速度を描く。
- その物体に働く力だけを描く。
- 合力の向きから速さ・向きの変化を予測する。
理解する:見かけと実際の力を分ける
車が急発進すると、足は床から前向きの力を受けます。上半身は慣性で元の静止状態を保とうとするため、車内からは後ろへ傾いて見えます。「後ろ向きの力が体を引いた」とは限りません。
急停止では体が前へ動き続けようとします。シートベルトは前向き運動を止めるため、体へ後ろ向きの力を加えます。
例で使い、よくある誤答を直そう
右へ飛ぶ球に下向きの重力だけが働くと、球は右向き運動を保ちながら下向きに曲がります。力の矢印が下だからといって、手を離した瞬間に真下へ落ちるわけではありません。
答案では「慣性により」で終えず、「物体はそれまでの右向き運動を保とうとし、同時に下向きの重力で向きが変化する」のように、初めの運動と合力の効果を両方書きます。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:急停止するバスで体が前へ動くのはなぜ?
体がそれまでの前向き運動を慣性で保とうとするためです。確認2:右へ飛ぶ球に下向きの力が働くと、直後はどちらへ?
右へ進みながら下向きに曲がります。確認3:初見場面で最初に決めることは?
どの物体の運動と力を調べるかです。見る物体、初めの速度、働く力、合力の順に整理すれば初見場面も説明できます。次は斜面と落下運動で、この関係を記録へつなぎます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。